初めてトヨタ車ベースで作られた新型ビュートにはハイブリッド仕様も

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光岡が4代目にあたるビュート・ストーリーを発表した。税込み価格は308.0万〜429.0万円で、すでに160台ほどの予約が入っているという。
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約半年前に公表されたとおり、今回の4代目でベース車は日産マーチからトヨタ・ヤリスに変更された。これに伴って6速MTモデルやハイブリッド仕様、E-Four(電気式4WD)モデルもラインナップされ、車線逸脱警報や自動ハイビーム、道路標識読み取り機能など安全装備が充実した。参考までに、ビュートがトヨタ車で製作されるのは初めて。
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viewt_42報道陣向け発表会にて同社の商品企画課長でデザイナーの青木孝憲さんは3つのポイントを挙げた。
1点目はデザインに関するアピールで「ようやくLEDヘッドランプを採用できた。また、ランプ周囲のリングを太くしてパッチリお目々を実現した」と説明したほか、フロントフェンダーの盛り上がり(人間の顔でたとえるなら、ほお骨)を後方にズラして表情を若返らせたことにも言及した。
2点目は作り方に関して。これまで同社は長らくFRPの手作りパーツを用いてオリジナル車を送り出してきたが、RAV4ベースのバディでプレス金型と射出成形を取り入れて質感アップを遂げた。ビュート・ストーリーではボンネットフードが従来のFRPから鉄板に変更されたが、フロントフェイスは引き続きFRPで制作されている。これは「パーティングライン(パネルの分割線)を顔に入れたくなかったから」と青木さんは説明する。
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スチール製に変わったボンネットフードの裏側にはMITSUOKAの刻印が施されている。

3点目は自分だけの一台を選べる楽しさ。ボディカラーは12色、内装色は8色から選んで自由に組み合わせることが可能で、「これほど内装色が揃っている国産車はないはず」と青木さんは胸を張る。
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ヤリスをベース車に起用した理由について青木さんは「決してヤリスありきで開発したワケではない。複数のクルマでデザイン企画を行い、ピッタリとハマるクルマを選んだ結果だった」と説明する。

ところで、ビュートと言えば短くて丸い お尻がついているセダンを思い浮かべる人が多いだろう。だが、ビュート・ストーリーは2BOXハッチバックのみの設定で、セダンの用意はない。「ビュート・ユーザーの間でセダンは好評だが、コンセプト一新と若返りを狙ってハッチバックのみに絞った。ユーザーの価値観も変わりつつあるので、新しいビュートを模索した」とは青木さんの弁。

歴代ビュートを振り返ると、初代(K11型ベース)は9090台、2代目(K12型ベース)は1400台、3代目(K13型ベース)は2962台が売れて累計1万3400台ほどが出荷されてきた。同社で営業企画本部長を務めている渡部 稔さんによると、先代におけるセダンとハッチバックの販売比率は約7:3だったという。過半数のユーザーがセダンを選んでいたワケで、今回ハッチバックに絞ったことは冒険と言えよう。それでも渡部さんは「K13型マーチの中古車をベースにして先代を作り上げるメイクアップ・ビュートは続けていく」というから、どうしてもセダンのビュートに乗りたいユーザーにはこちらを提案していくようだ。
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ビュート・ストーリーの年内の生産&出荷予定台数は40台で、24年は年間とおして180台の生産&出荷が予定されている。すでに同年8月生産分まで予約が入っているため、今から注文してもデリバリーは最速で同年9月以降になる(ベース車の供給状況によっては遅れる可能性あり)。

余談ながら、ビュート・ストーリーのカタログ表紙&裏表紙のビジュアルは初代カタログに使われていたものがアレンジされて再使用されている。(白い横長カタログがビュート・ストーリー、人物が大きく掲載されている縦長版は初代ビュートのカタログ)
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なお、光岡は将来の商品化を検討している別の新型車のプロトタイプを年内に披露する。半導体不足などが解消してベース車が安定供給されない限り市販化に踏み切るのは難しいため、ひとまずプロトタイプ披露にとどめる模様だ。

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