続報!V字回復は持続的な成長を担保してから!
三菱自動車工業の前3月期決算は、売上高2兆1924億円、前年同期比2858億円増、営業利益982億円、同931億円増の大幅増収増益となった。世界販売台数は同17.5万台増の110.1万台だった。
今年度見通しも好調。売上高2兆4000億円、同9.5%増、営業利益1100億円、同12.0%増と増収増益となっている。世界販売台数見込みも125万台。
質疑応答の要旨。
Q V字回復軌道について
A そう簡単にできるものではない。単年度でもダメ。持続的な成長を担保できること。これまで以上にユーザーの信頼回復に努める。新車についてはひとつひとつ丁寧に売っていく。アフターサービスについては、収益面でも、意識改革の面でも課題がある。V字回復と言えるのは今日ではない。
Q 北米での販売台数増見込みについて。
A カナダ、メキシコを含む。勢いがついている。エクリプスクロス、アウトランダーPHEVが寄与する。アメリカ市場はセダンにプレッシャーがかかっているが、三菱はSUVに強いので影響は小さいと考える。
Q コスト低減の取り組みについて。
A 428億円のうち、250億円程度がアライアンスのシナジー部分と考えている。
Q 次世代技術への対応は?
A 自動車産業は大きな転換期にあるというのが共通認識。それぞれの課題についていろいろな意見がある。企業や政府の間にも違いがある。
新しい価値観、正義とは何か。価値観の変化に柔軟に対応していきたいと基本的に考えている。 既存の価値観、技術にとらわれていてはいけない。既存の技術でしっかり利益を出していかなければならない。開発費、設備投資が中計になっている。6000億円強で充分とは言えないが、アライアンスの力を最大限に活用していきたいと考えている。
Q 中計の見直しについて。
A お答えするのが難しい質問ですが、中計を達成したい。精度が高く蓋然性が高いのが大切。1年間頑張っていきたい。
Q 国内販売台数も戻ってきたが?
A 昨年9.8万台だったが、2015年度に届いていない。さらなる上を目指してやっていく。アライアンスのメンバーとなったことで仕事の環境は大きく変わってきた。ダイバーシティが非常に進んだ。内側と外側両方の改革が大切。変化を早めるための取り組みをしたい。
社員の意識改革は進んでいるか。変わらなければならないという気持ちはある。その上で意識改革とは、できないことはできない、困っていることは困っている、正しくないことは正しくないと、透明性の高い会社を目指す。
ただし、認めてもらいたい意識や欲があるが、これが障害となる悪い面もある。正しい判断力を持った社員を一人でも多く育てること。永遠の課題と思って取り組んでいる。少しでもいい会社にしたいと思ってやっている。
Q 中国政府の外資規制緩和について。
A 現状に特別なこと不便を感じてはいない。変えようという気持ちはない。何か行動を起こすことは考えていない。
Q アライアンスのあり方について。
A 基本的なルールがある。三社がそれぞれ利益を享受できるものであってはならない。アライアンスの成功とは、3つの会社が基本的価値の向上を実現する。経営、ブランド、マーケティングは独立している。いまは少なくとも当事者ではない。日産が第一の株主ということで言えば、そういうこと。