2007年に初代がデビューしてからのグローバル販売台数が760万台を突破したティグアンが7年ぶりのモデルチェンジで3代目に生まれ変わった。
シャシーがモジュラー形式のMQBから改良版のMQBevoに進化した新型ティグアンには、いくつもの見どころがある。例えば空力特性の向上。先代よりフロントノーズの厚みが増してSUVらしさに磨きがかかったにもかかわらず、Cd値は0.33から0.28に改善されたという。
スポーツ色の強いR-Lineとディーゼル全モデルに装備されるアダプティブ・シャシー・コントロール(電子制御サスペンション)の進化もポイントに挙げられる。従来と違ってショックアブソーバーの減衰力が伸び側と縮み側で別々に制御されることで、乗り心地とハンドリング性能がいっそう高次元で両立されている。
この機構はパワートレインの出力特性、パワステのアシスト量、空調とセットで「コンフォート」「エコ」「スポーツ」にモードを切り替えられるドライビング・プロファイルにて調整可能だが、「カスタム」モードで任意の硬さに変えると効果がわかりやすい。もっとも柔らかいレベルを選ぶと揺れの収束が弱まってコーナリング時のロールが大きくなり、逆に硬さを最強レベルに切り替えると乗り心地は悪化するもののワインディングで怖い思いをせず走りを楽しめる。
ドライビング・プロファイルはタッチ式のインフォテイメント画面だけでなく、センターコンソールに設置されたダイヤル式コントローラーでも切り替えられる。オーディオの音量やアンビエント照明もこのコントローラーで調整できて利便性は高い。
ガソリン車のエンジンは1.5L-eTSI(150ps/250Nm)に刷新された。アトキンソン・サイクルと48Vマイルド・ハイブリッド機構が組み合わされ、スターター兼オルタネーターのおかげでアイドリング・ストップからの再始動もスムーズだ。駆動方式は前輪駆動、トランスミッションは7速DSGのみ。
2L-TDI(193ps/400Nm)は排ガス中のNOxを減らすSCRシステムが2個に増やされて環境性能の強化が図られた。こちらは4WDのみの設定だ。
インフォテイメント画面は15インチに拡大されて存在感が増したものの、運転のジャマにならないギリギリのサイズに仕上がっている(廉価グレードは12.9インチ)。もちろん表示が大きくて見やすいのは言うまでもない。また、アンビエント照明を切り替えると助手席前方およびドアトリムの各ガーニッシュに埋め込まれたイルミネーションの色が変わる。
快適装備では前席に内蔵された空気圧リラクゼーション機能が目新しい。また、外気温に応じて空調と同時制御されるシートヒーターはファブリック表皮でも装備され、本革シート選択時にはベンチレーション機構と電動調整機能も加わる(オプション価格は24万2000円)。
https://www.volkswagen.co.jp/ja/models/tiguan.html
主要スペック(eTSI・R-Line)
●全長×全幅×全高:4540mm×1860mm×1655mm
●ホイールベース:2680mm
●車両重量:1610kg
●パワートレイン:1.5L直4ターボ(150ps/250Nm)&電気モーター(18ps/56Nm)
●WLTCモード燃費:15.6km/L
●駆動方式:FWD
●税込み価格:588万9000円(オプションを含まず)