BM分割買収後の新社名は「ウィーカーズ」

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伊藤忠関係者で固めた経営陣が直面する課題

伊藤忠商事(東京都港区)とグループ会社の伊藤忠エネクスは、投資会社のジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)とともに「株式会社ウィーカーズ=WECARS」を設立し、ビッグモーター(BM)の事業の大半を承継した。旧ビッグモーターの不正に絡む補償問題への対応などはBALM(旧商号ビッグモーター)が行う。こちらはJWPが単独で株主となる。

 伊藤忠らは既存の社員4000人と249店舗をウィーカーズとして、事業の再建に取り組む。以下は5月1日に伊藤忠本社で行われた。会見の要約。

伊藤忠の真木正寿住生活カンパニープレジデントの挨拶。
新社名は「ウィーカーズ」とした。今後、順次新しい看板に変える。(伊藤忠の)企業理念である「三方よし」が実現できると考えた。成長に向けた検討を行ってきた。旧ビッグモーター役員は新会社に入れない。表面化していないものも含めて(フ不正や保証については)旧会社(=BALM)が真摯に対応する。
再建には組織風土改革が最も重要。コンプラを最重要視することが大切。道のりは平坦ではないが、必ず社会に貢献できる会社にする。伊藤忠グループから50人以上を派遣し現場により近い状況で改革を行う。

ウィーカーズの田中慎二郎CEO。
最優先すべきはお客様。中古車業界のロールモデルとなるよう努力する。看板は当面、ビッグモーターのままだが、GW中にぜひお店に来て欲しい。
山内 務COO。
改革貫徹本部を設置した。内部通報制度を導入する。頻繁な異動をやめる。秋口までに改革プログラムを策定する。

質疑応答(回答者は複数ですが、ここでは伊藤忠側の回答として表現させていただきます。ご了承ください)。
Q 最近でも違反が起きている。伊藤忠のブランド毀損にならないか。
Aコンプラ違反には厳正に対処する。終わりのない改革をやっていく。
Q 買収のメリットは?
A 面の開発と並んで飛び地に投資し、それを広げていく。面的に広げていく。「川下起点」「マーケットイン」の総合力でやっていく。
Q 買収金額は?
A約400億円。将来は伊藤忠グループ100%へ。2.3年を目処に実現できたらいいなぁ。
Q 兼重家からの譲渡額は?
Aコメントできないが、兼重家に流れているわけではない。出資金の一部は旧会社に渡る。金融機関への返済など創業家にも責任取ってもらう。誰も兼重さん本人とは会っていない。
Q 損保との委託代理店事業について。
A迷惑をかけないようにする。「ほけんの窓口」のサービス活用する。先では損保と(保険募集人再開に向けて)交渉したい。
Q 人員規模は?
A現在は4206人。(往時には)5500人から5600人いた。もともと入れ替わりが激しい。募集していないので自然減。
Q伊藤忠エネクスとの関わりは?
A1550店のSSがある。BMは249店舗ある。協力してやっていく。旧会社の社長には和泉社長が就任する。
Q なぜ旧経営陣がいないのか?
A新会社発足の会なので関係ないと考える。(BALMは)いずれ対外公表するとしている。
Q 4000人規模を引き継ぐ覚悟は?
A大役を仰せつかった。家族や知人に胸を張れる会社にする。
Q 不正は個社の問題か、業界の問題か?
A BM特有の問題がある。遵法性を高める意識が組織になかった。給与体系など見直して行きたい。
Q 伊藤忠エネクスのビジネスプランは?
A 第一陣として40人弱をエネクスから出す。249店舗のうち活用できるお店を選択する。
Q 改革の状況について。
A 客足は激減している。販売台数は往時の3割から4割。買い取りは8割程度まで戻っている。伊藤忠の知見も活用したい。
Q 従業員目線では?
A やっている仕事を胸を張って言えないのは良くない。いっしょに胸の張れる会社にしようよ。一緒に汗をかく。現場が変わらなければ会社は変わらない。その中で新しい風土を作りたい。
Q 未だ板金部門以外の説明がない。
A 整備等については軽々に発言できない。懲戒解雇者以外は社員を引き継ぐ。
Q 利益目標は?
A対外的には言えない。いずれナンバーワンを奪還してもらう。BMの強みは、立地の良さ、むやみに値下げしない、ローン、クレジットのサービスなど一気通貫の仕組みがある。伊藤忠グループのシナジーも使いながらやっていく。組織風土改革が一丁目一番地。

取材・文・写真/神領 貢

https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2024/240501.html

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