トヨタカローラ静岡 板金修理不正を発表

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トヨタカローラ静岡

板金修理不正を発表

 

トヨタカローラ静岡(静岡県静岡市・堀章弘社長、以下カローラ静岡)が6月2日に板金修理で不適切な作業をしていたことを発表した。内容は同社の発表文のとおりだ。2020年5月までの3年間について遡って調べたところ、396台の修理入庫のうち124台で、見積もりに入れていたキズへの耐久性や耐キズ性に優れたクリア塗料(耐スリ)を使わず、通常仕様の塗料を使って作業していたものだ。

本誌では今年2月号でネッツトヨタ茨城が「3900台あまりに及ぶ不適切な塗装修理を行なっていた」ことをスクープしている。耐性の高いクリア剤は粘度も高いため、作業に時間がかかる。「人手不足の中、修理期日に間に合わせることを優先させていたのではないか」(事情通)との指摘がある。加えてカローラ静岡は認めていないが、ネッツトヨタ茨城同様に台あたりの差益増を狙ったもの」(同)との見方もある。

詳細についてカローラ静岡のサービス部長に聞いた。

  • 社内調査を始めたきっかけ

(本誌の指摘など)再塗装においてトヨタ自動車系列ディーラーでの不正をトヨタ自動車(TMC)が把握した。このためTMCから全国の系列ディーラーに調査するよう指示が出た。同社では直近3カ月分の作業について「不適切な事案が確認された」(サービス部長)ため、過去3年間について詳細な調査を行った結果、124台の不適切作業が見つかった。

  • 保険修理の割合

不適切事案124台のうち75.8%に当たる94台が保険金不正請求に当たる。不正請求分については再施工で対応する。なお、不適切施工された124台については「すべて静岡市清水区にある同社直営工場で施工」(同)されたものだ。また、「再施工完了のメドは今年8月」(同)と説明した。

カローラ静岡では不適切な施工をした124台について、連絡のすぐ取れるユーザーには「電話した上、訪問して謝罪する」(同)としている。その他のユーザーについても作業記録や各拠点の顧客名簿などをもとに、「「すべて再施工する」(同)方針だ。

不適切事案が見つかったことについて、サービス部長は「経営トップ以下、非常に重く受け止めている。再発防止に全力を挙げる。すでに社長も自ら現地調査を行った」と話す。不正を真摯に認め謝罪し、再発防止を期す。企業としては正しい取り組みだと思う。

 

取材・文/神領 貢(マガジンX編集長)

写真は同社HPより抜粋

 

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