三菱自の反省「宣伝不足でPHEVの魅力が伝わっていない」

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予約注文の受け付け開始時に当サイトで紹介したエクリプスクロスPHEVが正式発売された。税込み価格は384万8900〜447万7000円で、引き続き設定される1.5Lガソリンターボ(253万1100〜334万6200円)と合わせて月販1000台が目標に掲げられる。
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PHEVには給電機能や燃料を使わずにモーターだけで静かに走れるメリットもあるが、加藤隆雄CEOは「全国のディーラーをまわって営業マンにヒアリングを行ったところ、ユーザーにそういった魅力が伝わっていないことが課題として見えた」という。「広告宣伝費が少ない。宣伝なしではユーザーに魅力が伝わらず売れない」「給電デモを行うとユーザーから感心されたり知らなかったと驚かれる」と販売現場で指摘されたことも受けて、SNSやインターネットで魅力をアピールしていく策に力を注いでいく方針を明らかにした。

オンライン会見に臨んだ加藤隆雄CEO(右)と長岡宏Co-COO(左)。

オンライン会見に臨んだ加藤隆雄CEO(右)と長岡宏Co-COO(左)。

kato_8860いまの三菱自動車に足りないものは?と問われた加藤CEOは「社員に対して『元気の出るクルマを出していこう』というアピールが足りなかった。前向きになれるクルマを出していきたい」「商品が大事だが、現状、バランスの取れたラインナップになっていない。何が三菱らしいのか、よく考えてラインナップを整理していく必要がある。いま構想を練っている」と答えた。
エクリプスクロスの立ち位置については「電動化を進めていく先頭バッターで、これを転機にして上昇気流に持っていきたい」「目標の2.5から3倍の先行受注をいただいており、そのうち80%がPHEVで注目を集めていて期待値の高さが伝わってくる。力強い手応えを感じている」と語った。

nagaoka_8905オンライン会見に同席した開発担当の長岡宏COOは「モデルライフ途中のPHEV追加は予定どおり。ディーゼル車の扱いについては悩んだが、(環境対応車として)PHEVとかぶって同じような商品を持つことになるので、PHEVをしっかりと売っていくために整理した」と語った。
また、ディーゼル乗用車については「今後、同じようにPHEVに変えていく。一方でディーゼルエンジンを搭載したフレーム構造のピックアップやSUVはアセアン地域で根強い要求があるので、新しいエンジンを開発してでも続けていく。いずれ燃費規制で電動化が必要になった時、ディーゼルエンジンに電動化技術を組み合わせるのか、PHEVを投入するのか、ユーザーの意見を聞いて決めていきたい」とした。
車種バリエーションに関しては「まずSUVを充実させていく」として、さまざまなタイプのSUVを検討している旨を語った。「いまは新たなセダンを出す計画はない」とも断言。また、PHEV技術をベースにしたハイブリッド技術も構想しており、より安い価格で電動系が提供できればアセアン地域にも投入できるアイデアもあるようだ。

なお、ピュアEVについて加藤CEOは「いまは(まだ十分な)利益が見込めないEVを単独で開発することは現実的ではない」とし、日産と軽自動車のEVを共同開発しているように今後もアライアンスで出すのが現実的との考えを示した。

(まとめ・マガジンX編集部)

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