あの時のロッキーとは違う、軽快な街乗りコンパクト

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ロッキーはダイハツが開発した登録車初のDNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)モデルだ。DNGAとは「良品廉価」「最小単位を極める」「先進技術をみんなのものに」をキーワードに掲げたダイハツの新しいクルマづくりの基準で、現行タントから取り入れられている。
国内市場では登録車におけるSUV比率が上がっている一方で、荷室の狭さと価格に不満を抱いているユーザーも少なくないという。そこでダイハツは得意とするコンパクトカーづくりとトヨタ・グループ内での立ち位置を活かし、ロッキーの開発&投入に踏み切った。

コンパクト2BOX並みの扱いやすさを確保すべく、全長は4m未満に、全幅も5ナンバー幅に収まる1695mmに抑えられている。また、シャシーは3気筒エンジンのみを搭載する前提で開発されたため、タイヤの切れ角を大きくすることに成功。おかげで17インチタイヤを履きながら最小回転半径は5.0mにとどまっている。

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インタークーラーが上面から前面に移されたことを除き、搭載されている1KR型1L直3ターボ(98ps/14.3kg-m)はトールと同じだ。しかし、車重が約120kg軽いおかげでロッキーのほうが小気味よく加速し、エンジンの“頑張ってる感”に付き合わされずに済む。

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車体が軽く仕上がっているメリットは制動時にも体感できる。高価なデバイスを用いることなく、チューニングを見直しただけとのことだが、踏み始めの時に過剰に制動力が立ち上がったり逆に頼りなさを感じることもなく、踏み増した際にはキチンと制動力が増すチューニングに好感を抱いた。

かたや軽く仕上げたことで開発陣は別の問題に直面したようだ。それは乗り心地である。例えばタントのように小さいタイヤに対して車体が重ければ重厚感があって落ち着いた乗り心地がもたらされるが、ロッキーの場合は大きなタイヤに対して車体が軽いため、路面から入力を受けた時のリバウンドが大きいように感じた。ガツンと揺すられるような強いショックはなく、角の取れた乗り味には仕上がっているが、うねりのある路面ではフワフワして落ち着きに欠けることも。

 
良品廉価を実現するため、コネクティッド機能では車載通信機を搭載せずにユーザーのスマホを連携させて使う方式を起用。9インチの画面付きオーディオを選択すれば普段から使っている地図アプリがそのまま車載ディスプレイで操作できる。また、選択時にはWiFiルーターがセット装着されるため、離れていてもクルマの状態が確認できる機能や万一の事故時にオペレーターにつながる機能も盛り込まれる。もちろん、従来の2DINナビをディーラーオプションで選ぶことも可能だ。

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上下に位置を変えられるラゲッジボードの下にはサブトランクが用意されている。ただ、容積を優先したためか、すり鉢状に成形されていて使い勝手が気になるところだ。

主要スペック(Xグレード)
●全長×全幅×全高:3995mm×1695mm×1620mm
●ホイールベース:2525mm
●車両重量:970kg
●最小回転半径:4.9m
●パワートレイン:1L直3ターボ(98ps/14.3kg-m)
●駆動方式:FF
●トランスミッション:CVT
●WLTCモード燃費:18.6km/L
●税込み価格:184万8000円(オプションを含まず)

 

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大きな台形インテークを与えられてトヨタ車共通のアンダープライオリティ思想に基づいたデザインが完成しているライズ。写真のターコイズブルーマイカMはライズ専用色。

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リアビューはロッキーと同じで、車名エンブレムとCIマークが異なる程度。ちなみに17インチアルミホイールはロッキーとライズで異なる。

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