トヨタが始める定額制サービス「KINTO」って何だ!? 諸費用、税金、自賠責保険、メンテナンス 任意保険まで込み込みの個人リース

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トヨタが始める定額制サービス「KINTO」って何だ!?

諸費用、税金、自賠責保険、メンテナンス

任意保険まで込み込みの個人リース

 

トヨタ自動車は新車に月額定額制で乗れる新しいサービス「KINTO」をまず東京都内で始めた。今夏以降、順次、全国に扱い店を拡大する予定だ。KINTOのサービスは大きく分けてふたつ。

ひとつは「KINTO ONE」で、当初、プリウス、カローラスポーツ、アルファード、ヴェルファイア、クラウンの5車種で始める。36カ月の均等支払いで車両代のほか登録諸費用、使用期間における税金と自賠責保険料、メンテナンス代、自賠責保険と任意保険、そして車載専用機DCM代金が込み込みになっている。3年経過したらクルマを返す。期中の車庫代、ガソリン代、有料道路代等は使用者が負担する。月額は税込4万9788円から10万6920円まで選択車種によって異なる。窓口は都内のトヨタ販売店。

もうひとつはレクサス車の新車に半年ごとに乗り換えることができる「KINTO SELECT」だ。ES300h、IS300h、RC300h、UX250h、RX450h、NX300hの6車種が用意されている。こちらは3年契約で月額19万4400円(消費税込み)。都内のレクサス店で詳細を教えてもらえる。

DCMを通じて採集されるデータを活用して、ユーザーの使用状況に応じたポイント還元サービス「愛車ポイントサービス」を今秋以降に導入していく。サブスクリプション(定額制)による新車保有のバリエーションと言えるが、実態は費用込み込みの3年もの個人リースだ。

記者説明会で運営会社となる「KINTO」の小寺信也社長は、「どこにマーケットがあるのか、最も可能性の高い領域に商品を投入していたが、先手を打つ。かつてない販売の変革。走りながら一年でサービス具体化に持ち込んだ。従来なら自前だったのを優秀なパートナーと組むことで短期化した。スタートアップならどのような仕事をするのかを考えてやってきた」とKINTOの可能性に言及した。詳細は質疑応答をご確認ください。

 

質疑応答。回答は小寺信也社長。
Q HVしか選べないが?
A 商品を絞り込み東京に限定して、そこから広げたい。将来は安全運転、エコ運転のポイントを設けて、大切に乗って欲しいのでDCM設定車に限った。
Q コスパは?
A 得か損かで商品を設定したわけではない。損でも得でもない。サービスに任意保険が含まれている。KINTOは若い人には割安に見える。
Q リースとは何が違うのか?
A すべて含まれている。点検も税金も保険も含まれている。ネットで申し込める。ワンプライス。
Q 半年ごとに乗り換えて愛は生まれるのか?
A 3年間で色んなレクサスに乗ってもらってレクサスを愛してもらいたい。
Q 3年間で700万円かかるが?
A レクサスの自社ユーザー、輸入車のお客様をまず想定。中古車版KINTOも考えたい。発売一週間でレクサスでは数台契約してもらった。「一台も売れなかったらどうしようと思っていた」。
Q もっとバリエーションはないのか?
A 最終的にはフルカスタマイズしたい。いきなりそこにはいけないので、まずは3年と半年にした。
Q EV車での定額制は?
A 増えるのではないかと思っている。距離あたり、充電回数あたりなどの料金体系も検討したい。
Q 途中解除の際は?
A 解約金をいただいている。利用期間が短いほど高いが、海外転勤、高齢者の免許返納、契約者が死亡した場合などは解約金はとらない。6モデルのうち二度乗ってもらって構わない。 LS.LCはサイズが大きいため外した。事故の場合は1回あたり5万円いただく。DCMを通じて安全運転を促していく。強制解除は現時点で考えていない。
Q スタッドレスタイヤは履けるのか?
A 秋以降はオプション設定したい。サービスを通して販売店とお客様の関係を築いて欲しい。
Q カスタマイズについて。
A ファーストコンタクト時点でどうなるか、東京トライアルでやっていきたい。カスタマイズはお断りしている。将来は「GRプログラム」などに対応していきたい。
Q 契約満了後のクルマは?
A 中古車、中古車版KINTO、少量だが海外への輸出も考えている。コネクテッドカーなので履歴が残る。再販の場合、次のお客様は納得して買っていただけると思う。
Q 価格設定について。
A 高いか安いか、一度スタートしてみる。見直しはあり得る。
Q KINTO終了後のお客様との関係は?
A 10年、20年とお付き合いいただきたい。「クルマって楽しいな」という商品を出していかないとサービスは長く続かないと思う。
Q 海外展開は?
A 欧米と中国を含むアジアとは異なる。欧米はリースが普及している。アジアは「クルマは保有するもの」の価値観が強い。アジアから展開させていきたい。
Q DCMデータの活用は?
A クルマの使われ方、走り方がリアルタイムで分かる。開発に役立てたい。
Q カーシェアとサブスクは矛盾しないのか?
A 保有から利活用へでは、全てが共有のイメージがあるが、「自分のものは独占したい」ニーズはある。タオルは共有できるけど歯ブラシは占有でしょ。広く網を張って備えておきたい。
Q 新会社の事業目標について。
A 内輪の数字はなくはないけど。まずはどうなるかを見ながら。ほとんど投資はない。リスクの小さい事業。
Q 既存の任意保険の扱いは?
A 中断手続きにより既存の等級は最大10年間維持される。
Q サブスクの将来像は?
A ホントは毎日でも乗り換えたいが、乗り換えごとに車庫証明が必要。車庫証明が逐一いらないのはレンタカーだが、「わナンバー」だし、それはやらない。
旅先で使ったり、用途によってクルマ変えたりできるようにしたい。

DCM専用の車載専用機により、トヨタの「T-Connect」のサービスが利用できる。「KINTO」では全車に装着されデータ収集が行われる。

https://toyota.jp/tconnectservice/intro/dcm.html

取材・文・写真/神領 貢(マガジンX
編集長)

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