日産自動車、 通期の売上高、営業利益見通しを大幅下方修正。 アメリカ市場、ブランドバリュー回復にチカラ

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日産自動車、
通期の売上高、営業利益見通しを大幅下方修正。
アメリカ市場、ブランドバリュー回復にチカラ

日産自動車の今年度第3四半期累計決算は、売上高8兆5784億円、前年同期比0.6%増、営業利益3137億円、同13.9%減だった。営業利益率は前年同期の4.3%から今年度は3.7%となっている。

通期の見通しは売上高11兆6000億円、前年同期比2.9%減、営業利益4500億円、同21.7%減と、前回見通しから売上高、営業利益とも下方修正された。

期中の四輪車世界販売台数は、402万台、前年同期比2.1%減だった。通期見通しは560万台、前年度比17万台減とした。今年度当初見通し比32.5万台減。
西川社長のコメント。
残念ながら業績の下方修正見通しを発表した。現在の市場環境から見て、米国の販売の質を改善していく。
質疑応答の要旨。
Q 西川さんは監督機能の責任をはたせていなかったのではないか?
A 非常に大きな不正を起こしたことを大変申し訳無く思っている。私を含めて過去の経営陣が、気づかなかった、止められなかった。過去への責任、将来に向けた責任のふたつがある。過去についてはショックであり、重大な責任を感じている。果たすべき責任に集中したい。その上で責任を考えたい。日産という大きな船を前に進めるために。
Q米中の市場について。
A アメリカ市場の数は減り競争は激しくなる。中国は未だ成長している。アメリカについてはブランドバリューが十分でない。フリートとインセンティブがないと台数が売れない。台数増よりは平均価格を上げる取り組みを進める。
中国はブランド価値が定着している。バリューを毀損させることなく徐々に成長させていく。ベヌーシアのペースを上げる。世界最大の高級車市場でインフィニティの巻き直しが課題。少し辛抱強く仕事をする。これを肝に銘じたい。
Qゴーン氏の虚偽記載92億円の計上と支払いについて。
A 今回計上したのは想定される債務を保守的に見積もった数字。実際に支払うのを決めたわけではない。私としては支払う結論に至るとは考えていない。
ルノーとの関係については、ルノーのスナール会長と一緒に進めたい。アライアンスの磨きをかけていきたい。お互いに価値を生かして成長する。自律性の尊重。シナジーを発揮する。1番の価値は仕事を継続的に続けていく。何を目指すかは日産の中では一致しているし、ルノーの新会長も異論はないのではないか。
今週、スナールさんが日本に来られる。お互いの信頼醸成を図る。日々のオペレーションを安定させたい。「アライアンス2022」に挙げている項目は全て当然に進めていかねばならない。方向性に変わりはない。運営面で見ると、反省もあるし見直ししなければならない。じっくり見た上で改善すべきは改善しなければならない。数字についてはこれから議論した上で必要があれば。
Q フランス政府からの話は?
A 私から話すのは避けたい。常々申し上げてきたこと、それはアライアンスには前向き。原理原則で価値を生んできた。日産の収益率は自慢できるものではないが、北米については自分で手当てしていかなければならない。アライアンスは大きな財産であり価値。不活性化していくことはあり得ない。フランスの方にも理解していただいているのではないか。
不断の見直し、問題があれば直していかなければならないと認識している。課題については次の段階で議論すること。
 Q アメリカ市場について。
A フリートを減らす、インセンティブを減らすとか、だけではなく、台数が落ちたところで一貫性のあるブランディング、セールスパワーを上げていく。実力を上げる部分が、時間がかかっていた。
完全に体制を入れ替えたのが去年12月。できていなかった部分に大特急で取り組んでいる。プッシュではなくバリューに向けてじっくりと改善したい。
Q アライアンスの見直し部分とは?
A アメリカの販売チームの強化。バリューで売る点でホセ ルイス バルスは過去に良い仕事をしてきた。アライアンスのバリューを大事にして成長させていくことは強く思っている。ガバナンスと言うか運営というか。ひとりの個人に権限が集中すると上手くいくとしてきたが、アライアンスは本来、独自性を持たせること。権限の集中が本当に効率的なのか。もう少し見直しすべき。スナールさんと十分議論して結論を出していきたい。メンバー会社の進化に大きな貢献をしていく、それが重要なんだろうと。
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