日産自動車、「AMI」に力こぶ
中計最終の2022年度までに
新車販売台数、大幅増狙う!!
日産自動車は急速に市場拡大が見込まれるアフリカ、中近東、インドの各市場について、今後、市場への新規参入とさらなる深堀をおこなっていく方針を明らかにした。プレゼンターはペイマン・カーガー専務執行役員。
アフリカ、ミドルイースト、インドの英語の頭文字をとって「AMI」と表現するこれらの四輪車新車販売市場は、同社の予測で、2017年度の880万台から、同社が先に発表した中期計画「Nissan M.O.V.E. to 2022」の最終年度にあたる2022年時点で1210万台規模になると予測。これらの市場で、全需を上回る販売台数増と市場でのシェアアップを図るという。
https://www.nissan-global.com/JP/IR/MIDTERMPLAN/
パキスタンではスズキ、トヨタ、ホンダの3社が寡占している乗用車セグメントにおいてダットサンブランドで攻めるとした。南アフリカでは、2017年度時点で10%だった市場シェアを2022年度までに15%以上に高めるために、ビックアップトラックや小型商用車分野の質と量の両面で商品力向拡大を目指す。
インドでは、同社のチェンナイ工場の稼働率を上げるために、ダットサンブランドの新製品を生産、販売ネットワークの整備強化も果たす考えだ。ペルシャ湾岸協力会議(GCC)加盟国内での市場シェアアップにも言及。2017年度のシェア16%を2022年度までに20%へ、同様にサウジアラビアでの市場シェアを同7%から14%へ倍増させる野心的とも言える計画を公表した。なお、2022年度までの日産車の販売台数目標については公表しなかった。以下は質疑応答の要約。
質疑応答。
Q インド市場で政府の政策を後押しするとは?
A 国の政策なので、電動化の実現性には言及しない。2030年に電動化100%に向けてオファリングしていく。どのプロダクト(商品)を電動化するかどうかは、近いうちに発表できるだろう。
Q AMI地域の販売について。
A 現状は3.7%です。数字は言えないが、さらに上げていこうと。全需が4割伸びるので、非常に大きな成長がある。
Q インドは小型安価なクルマが多い。電動車をどう広めるのか?
A かなり野心的な目標。電動車の価格は相対的に高い。インセンティブが政府から提供されるだろう。手段はさまざま。他国でもいろんなやり方がある。インド政府は確実にインセンティブを出すだろう。インド政府の目標は2030年に100%電動化だが、その場その場で政府の方針に見合った戦略をとる。ダットサン、日産の両方のブランドを投入する。
Q インドのチェンナイ工場での生産車種は?
A 競争力をどのように高めるかを検討している。現在はニッサン、ダットサン、ルノーだが、工場の稼働率は50%程度。追加的なモデルを検討している。日産とルノーとのプラットフォームを共通化していく。大きな効果を出せる。新しいプラットフォームをダットサンで検討する。技術的に優位に立てる。輸出については、最大の優先課題ではない。輸出を前提としないが、インドからAMI地域に輸出することを2022年までに進めていく。
Q 83カ国のうち、どこをどのように増やすのか?
A アルジェリア政府と現地生産について相談している。認可する5社に選ばれた。DKDオペレーションをサブサハラ諸国でやっていけるか。ナイジェリアでは、パートナーのスタリオンとどこまでやれるか検討している。ステップバイステップで、その都度、発表していく。
Q アフリカと中近東について。
A 日産もルノーもやっているが、コマーシャルカーでは競合している。北アフリカでは、ルノーはモロッコ、アルジェリアで強い。モロッコは現地生産している。アルジェリアでは現地生産していない。アライアンスによりサプライヤーベースをしっかり確保できる。現段階ではエジプトの日産の工場では高い稼働率を有している。決定されたものはない。製造設備の分野で両社のアセットをどのように活用していくかを検討している。
Q インドのダットサンの新しいプラットフォームは?
A 次の車種に関しては、開発中のアライアンスプラットフォームを使う。技術の拡大余地を提供する。より多くの車種で共有できる。チェンナイ工場での生産性が高まる。