第46回バンコク国際モーターショー開幕。HEVやPHEVも話題に。

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2025年3月26日より、4月6日までの会期にて、タイの首都バンコク近郊にある“インパクト・チャレンジャー”において、“第46回バンコク国際モーターショー”が開幕した。

2024暦年締め(1月~12月)でのタイ国内の新車販売台数は、北部地域の洪水やローン審査の厳格化などが響き、2023年暦年締めより20万台ほど台数を落とす結果となった。そのような逆風が続くなか、第46回バンコク国際モーターショー(以下BIMS)は開幕した。

2025年の販売予測についてはショー主催関係者からも改善に向かうとの話も聞くことができ、2025暦年締め新車販売台数は2024暦年比で5%ほど増えるのではないかとの報道もある。

BIMSは完全なトレードショーであり、会期中に出展した完成車メーカー各社では、新車購入見込み客を積極的にショー会場に呼び込み、用意されたショー開催中限定の“スペシャルオファー”などを駆使し、会場内特設の商談コーナーにて正式受注に持ち込んでいる。BIMS2024での四輪車成約数は約5.3万台となり、ショー主催関係者は“2025年はこれ以上となるのはほぼ確実”と話している。

タイといえば、早いうちから中国メーカーがおもにBEV(バッテリー電気自動車)を旗頭に積極参入してきているのだが、今回のショー会場には編集部で数えても14ほどのブランドが出展するまでとなった。ショー会場内は良くも悪くも中国車が主役のごとく目立っている。

とくに中国メーカーで顕在化しているのは“30万バーツ(約139万円)”くらいは当たり前という大幅値引き合戦。新たにタイ市場に参入したばかりの中国系ブランドでもいきなり30万バーツぐらいの値引きをしてしまうと地元のひとも驚きを隠せないでいる。

タイではローンを利用しての新車購入がほぼすべてといってもいいほど当たり前となっており、しかも短期間で完済前に残債整理などをして乗り換えることも珍しくないなか、まさに大幅値引きの飛び交う乱売合戦の展開は自ずと再販価値を下げることとなり、数年先には下取り査定や買い取りなどで揉めることにもなりかねないのだが、そこまで先を読んでの商売ができないほど中国メーカー同士での“潰しあい”が顕著となっている。

日系や欧米、韓国などが値引きをしないというわけではないが、あくまで肌感覚では中国メーカーの乱売合戦には一定の距離を置いているように見えた。

中国車といえばBEVがまず頭に浮かぶが、ショー会場では日本車のお家芸でもあるHEV(ハイブリッド車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)の展示や会場内での新型車発表が目立っていた。

日本メーカーでも、三菱自動車がショー開催前に発表した新興国向け小型クロスオーバーSUVとなる“エクスフォース”のHEVが展示され話題をさらっていた。

新型コロナウイルス感染拡大が落ち着いた2022年あたりからタイでは中国メーカー車をメインとしたBEVが都市部を中心にブームのごとくよく売れていたが、2024年に入ってからはそれが一変し、日本メーカーを中心にHEVの販売比率が急速に伸び、中国メーカーもここ最近はHEVやPHEVを積極的に市場投入してきている。

日本円で130万円以上の値引きは確かに魅力的なのだが、同時に中国車では価格の引き下げも頻繁に行っている。こうなると、消費者心理としては値引きが大きいのは歓迎するが、契約したあとにさらに値引きが増えないかなどの心配が増し、“底値を待って”としているうちに購入機会を逸することになるのではないかとの懸念も出てきている。

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