ホンダセンシング・エリートを首都高で試した

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ホンダがレジェンドで限定発売した自動運転レベル3「ホンダセンシングElite」はライダーとレーダー(5個ずつ)、2個のフロントカメラ、3D高精度地図、全球測位衛星システムなどで構成されている。
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すでに市販化されているハンズオフ機能付き車線内運転支援&車線変更支援に加え、セットした車速の維持をめざして追い越しの判断と操作をクルマ側が行う高度車線変更支援、渋滞時に前方から視線を逸らすアイズオフが可能な渋滞運転機能、運転操作再開の要求にドライバーが反応しない時に稼働する緊急時停車支援も含まれている。

渋滞している首都高でシステムをONにすると、アダプティブ・クルーズコントロールの要領で前走車と一定距離を保ったまま速度管理が始まる。続いて路面の白線が認識されるとステアリングのアシストが加わって手放し状態が可能になる。そのまま渋滞の後尾について車速が落ちると渋滞運転機能に切り替わり、ナビの操作やテレビ/DVDの視聴も可能に。ナビ画面横に内蔵された赤外線カメラはドライバーの顔の向きを絶えず検知しており、前出の照明が視野から外れるほど顔を横向けるとアラートが発せられる。つまり、アイズオフが可能とは言え、車外の景色を眺めたり後方を振り向くことは安全性確保から逸脱するとの考えに基づいて警告される。
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渋滞が解消して前走車の車速が上がると警告音とともに照明がオレンジに変わり、ステアリングを握るよう促される。渋滞運転機能の解除に合わせて一旦ドライバーにステアリングを握らせるのは「運転の主体が変わることをドライバーに認識させるため」(本田技術研究所・AS/ADAS研究開発室の四竈真人さん談)だ。車速が上がると再び車線内運転支援が稼働してステアリング操作から解放される。

実際に首都高で試したところ、車線変更はスムーズで違和感を感じることもなかった。渋滞の中で初めてアイズオフを試す時は「大丈夫だろうか」と不安を覚えたが、ものの10分で慣れてDVDの映像に見入ってしまったくらいだ。

ナビ操作や映像視聴といったクルマに備わっている機能の使用を可能にしているものの、読書や食事、スマホの操作などは推奨されていない。これはクルマが運転操作交代を呼びかけた時に視覚で気づけないからだ。警告音も伴うので聴覚で何かを要求もしくは注意喚起されていることはわかるが、より高い安全性を担保するために視覚での情報伝達も重要とホンダは考えているワケだ。前述した照明がナビ画面上方と助手席側インパネにも内蔵されているのは、こうした理由に基づいている。
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このシステム搭載車は100台に限られ、いまのところ増産の予定もない。「安心して使ってもらうために丁寧な説明や納車後のサポートも大事なので」と説明するのは商品ブランド部の田中邦雄さん。ただ、増産予定もない旨をキッパリと宣言されてしまうと、ちょっと夢を奪われた気もしてしまうが…。

実際に試乗した様子を短い動画にまとめたので、下記からご覧ください。
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