5月13日、自工会は定例会見を実施した。今年初めてのことだ。席上、豊田章男会長は、「ホームタウン、ホームカントリーに加えて、ホームプラネットの視点を大切にしたい。環境負荷、交通事故などマイナスをミニマムにしなければならない。(安全装備の)普及をしっかりやっていかないといけない。様々な電動車をフルラインナップで取り揃える。日本は先頭を走っている」などと語った。
以下は質疑応答の要旨。
Q 秋の東京モーターショーについて。
A モーターショーをみんなで盛り上げていこう。2020オリパラ、今年はラグビーワールドカップもある。最後の最後までチャレンジしていく。モーターショーではお台場全体を使える。(メディアには)世界に発信することでご協力いただきたい。
Q 交通事故を減らすために。
A 一瞬にして幸せな日々を失う。心を痛める。サポカーは新車ベースで8割だが、保有ベースで考えなければならない。インフラ整備はどうあるべきか、ルールを守るよう啓蒙するにはどうしたらいいか、三位一体と言うか、発信していきたい。
Q 3月に「モースポフェス2019 SUZUKA」を実施した。
A トヨタ、ホンダ、スバルも参加してのモータースポーツフェスを鈴鹿サーキットでやった。競争と協調のヒントになるんじゃないか。
Q 足元の景気認識について。
A 平成元年が国内市場最高だった。それ以降、ほぼ一貫して縮小している。それを補ったのがアメリカ市場と中国市場。この間、日本メーカーは海外に成長の糧を求めている。日本は自由貿易をやっていかなければならない。一方、世の中は保護主義的な動きが広がっている。雲の厚さが厚い。いまだ晴れ間は見えない。
Q ユーザー負担軽減について。
A 自動車産業は全体で15兆円の税収貢献している。これに対して1300億円減税された。2リッター超車は増税後も負担は減るが、税体系が複雑で販売現場で説明が難しい。国には納税産業ではなく、戦略産業としての視点を持ってもらいたい。
Q ライドシェア鎖国について。
A 手段は色々あった方が良いが、大切なのは安全安心で品質良く。自工会はここにこだわっていきたい。
Q 経団連の終身雇用は難しい発言について。
A 多様化してきている。会社を選ぶ側に幅が広がってきた。他国に比べると転職はまだまだ不利。日本はなぜ今まで終身雇用が出来てきたのか。雇用を続ける、雇用を拡大している企業に対して、もう少しインセンティブをつけてもらわないと難しい局面にきている。すべての人にやりがいのある方向に向いているのではないか。