2025年5月号『ざ・総括。』の記事【フォルクスワーゲン・パサート】がnoteから購入できるようになりました

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マガジンX 2025年5月号(3月26日発売)に掲載された『ざ・総括。』の記事【フォルクスワーゲン・パサート】がnoteにて税込300円で購入できるようになりました。また月額600円の定期購読で3本すべての記事を購読することもできます。以下は無料公開の冒頭部分です。続きを読みたい方はその下のリンクからご購入ください。

【VWパサート】

イチオシ実用ワゴン

9代目パサートは2023年秋のミュンヘン・モーターショーでデビューし、日本では2024年11月25日に発売された。プラットフォームはMQBの発展型であるMQB evoを使用。生産はスロバキアのブラチスラヴァ工場で行われる。セダンは中国専用車となり、上海大衆汽車でのみ生産される。中国以外では北米も含めてステーションワゴン(ヴァリアント)だけの設定だ。MQBはもともとホイールベース伸縮自由という設計であったが、今回のパサートでは先代よりもホイールベースが50㎜延長されて立派なDセグメントのステーションワゴンとなった。本誌評価陣はこのクルマをどう見ただろうか。

VWという会社は苦境

エンジニアリングコンサルタント(以下=エ) 新型パサートは昨年末の発売だったが、なかなか日本に入ってこなかったようだ。実車を目にすると、かなりボディが大きい。昔のアウディ80ベースのパサートを思い出すとずいぶん大きい。一時期、2008年から2017年までパサートCCという4ドア・クーペ的なモデルがあったが、そこからパサートの車名が取れてフォルクスワーゲンCCとなり、その後継がアルテオンで、BEV(バッテリー電気自動車)の「ID.7」が登場してパサート・セダンの後継はこれになった。いずれBEVだけの時代が来るという想定だったのだろう。

チューニングショップの社長兼エンジニア(以下=チ みなさんに乗ってもらったのは「eTSIエレガンス」というグレードだ。車両価格はオプション抜きで553万円。オプション込みの値段は持ち主から聞いていない。どんどん値段が上がる外国車の中では、500万円台は安いとさえ思えるようになってきた。貧乏なのは日本だけだ。

元部品メーカーのエンジニア(以下=部) VW(フォルクスワーゲン)はBEVのIDシリーズのラインナップ拡大と同時に、従来からのICV(ICE=内燃機関を積んだクルマ)は車種整理を始めています。エムデン工場でのMQB系モデルは生産が縮小され、このパサートはスロバキア製です。VWとしては、セダン系はID.7を売りたいのでしょう。あちらは全長4870×全幅1875×全高1445㎜、ホイールベース2835㎜です。新しいパサートはホイールベースが先代より50㎜ほど伸びて、本国寸法(日本の二捨三入5㎜刻みではないという意味)で2841㎜です。

ベテラン実験ドライバー(以下=T) ずっとパサート・セダンはカンパニーカー需要が多かった。部長クラスはBMWかメルセデスベンツ、その下がVWパサートという序列だったが、カンパニーカーはBEVにするという動きが2021年ごろから始まった。この9代目パサートは、商品企画の初期段階でセダン廃止が決まっていたようだ。しかし、昨年はカンパニーカーからBEVがごっそり消えてPHEV(プラグイン・ハイブリッド車)かHEV(ハイブリッド車)になった。VWの上級BEVも売れていない。

自動車業界の事情通(以下=通) だから昨年末の労使交渉でモメた。VWとしては本国の3工場を閉鎖したかったのだが、従業員の猛反対にあった。ドレスデン工場は年内一杯は操業。オスナブリュック工場は2027年モデルの生産終了まで操業。ウォルフスブルク工場は4ラインのうち2ラインを停止するが、どの工場も当面は閉鎖しない。人員削減は2030年までに時間をかけて少しずつという線に落ち着いた。VWは大っぴらには言っていないが、BEVの生産を減らしてPHEVとHEVを増やすつもりだということは、サプライヤーへの発注状況からも分かる。それがいまの売れ筋だから仕方ない。

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