

速報!!日車協連の今年度総会開催 損保4社との協定工賃妥結を報告
6月9日、日本自動車車体整備協同組合連合会(小倉龍一会長、以下日車協連)は都内で第44回通常総会を開いた。前年度の実績報告や今年度の活動方針や予算が原案通り可決承認された。
ハイライトはやはり東京海上、損保ジャパン、三井住友火災、あいおい各社と今春にかけて行われた「指数対応単価」の引き上げ交渉の結果だろう。
4社とも2024年度比2桁%前後の引き上げが実現した。なお、東京海上と損保ジャパンは「妥結金額の非公表を強く求めた」(泰楽秀一理事)とのことで、具体的な妥結金額等についてはメディアに公開されなかった。
各社とも工賃単価を7000円台半ばに引き上げた上で、産廃費用や代車費用についても支払う意向と言う。さらには「工場の特定整備資格や設備投資、賃金上げの状況などついても工賃単価交渉に反映させる」(同)と断交の成果が現れた形だ。
来年度以降も整備業界に比べて設備投資が多額になる点や、もともと相対的に低い人件費等の「是正を求めていく」(同)と決意を述べていたのが印象的だった。
団交による妥結額の公表を控えるよう日車協連側に求めた東京海上と損保ジャパン。東京海上は「非組合員の工場にも団交結果を準用する」と本誌に答えている。また、損保ジャパンは技術力や設備等に応じて「3つのランクで工賃に差を付ける」という。なぜ両社は情報の非開示を求めたのか。個別の交渉への影響を懸念したり、競合他社に情報が漏れることを恐れているようだが、何ともケツの穴の小さい態度ではないか。どこが「ガラス張りの交渉」なのか。本誌の取材では、断交の結果が「協定の現場では守られてない」(事情通)と言われる。
「団交の数字はあくまでも最低腺」(泰楽理事)と、個別交渉の行方にも組合側はウォッチを続ける考えだ。
取材・文・写真/神領 貢(マガジンX編集長)