自工会の豊田章男・会長がオンライン会見に臨んだ。今日の会見ではカーボンニュートラルへの取り組み方について改めて力説し、併せて東京モーターショーの計画にも触れた。
豊田会長は「日本らしいカーボンニュートラルへの道筋があるのではないか? その道は一つではない」と切り出して「正しく理解してほしい」と訴えた。「自動車産業が産業界全体のペースメーカーを担える」と、流れを作り出したい意向も語った。
「日本には長年にわたって培ってきた燃焼技術に加えて電動化技術もあり、これらを組み合わせた複合技術でCO2を減らせる可能性はある。既存インフラも活用できる」とした。さらに「はじめからエンジン車禁止では選択肢の範囲を狭めるだけ。めざすべきはカーボンニュートラルであり、EVやFCVの普及促進およびエンジン車の販売禁止ではない」と述べ、会見の間、終始「順番を間違ってはいけない」と繰り返した。30年前にはハイブリッド技術もなかったが、技術者の努力もあって消費者に使ってもらえる技術を生み出せたことも例に挙げた。
また、研究開発が進んでいるeフューエルの活用にも言及。「国内保有7800万台のうち、まだ電動化は1割程度。保有車両にも手を打たないとカーボンニュートラルは達成できない」とした上で、安いところから運んでこれるeフューエルを用いれば既存インフラも活用できつつカーボンニュートラル実現に一歩近づける旨を説明した。
「カーボンニュートラルの実現に向けて、どんな支援を求めるか」と問われた豊田会長は「(金銭的な支援も大事だが)一番の支援は順番を間違えない発言と、日本が培ってきた技術や技術者を活かす取り組みだ」と答えた。
なお、今秋の東京モーターショーに関しては「オンラインコンテンツを使うことも含めて検討したが、来場者の安全を優先して開催中止を決めた。やはりリアルに見てもらうことにこだわたい」としてオンラインのみの開催に否定的な考えを示した。