当サイトで正式発表前に紹介したエクリプスクロスのビッグマイナーチェンジ版が12月4日に発表&発売された。今回の手直しではボディ前後のデザインが大幅に変更され、全長は140mm(フロントオーバーハングが35mm、リアオーバーハングが105mm)延長されてクーペらしい流麗なフォルムに磨きがかかった。
同時に見逃せないのは、待望のPHEVが加わったことだ。ユニットは基本的にアウトランダーPHEVと同じで、4B12型2.4Lエンジン、前後ツインモーター、床下に搭載されるバッテリー(13.8kWh)の各スペックは変わりない。ただし、元来エクリプスクロスのほうがボディ剛性が高くてスポーティな味つけに仕上がっているため、そのままコンポーネンツを流用したところ、旋回性能が高すぎてスピンする傾向すら出てしまったという。そこで、S-AWCによる“曲げる”制御が見直され、最適な性能が実現できるように再チューニングされた。
実際にステアリングを握って5つのドライブモード(エコ、ノーマル、スノー、グラベル、ターマック)を試したところ、ターマックは積極的にクルマを旋回させてスポーティな走りが体感できる味つけに仕上がっていることを実感。アクセルペダルに対するレスポンスが高いだけでなく、後輪の駆動力が増して車体を旋回させようとする動きが感じられた。
18インチタイヤを履くSUVとあって、乗り心地が完全フラットじゃない点は致し方ないだろう。ただ、路面からの突き上げを受けた後のいなし方には改善の余地があり、この点が洗練されれば上質感と作り込みの良さがいちだんと感じられるに違いない。また、ルーフへの吸音材追加や後輪ホイールハウスへの遮音材追加が功を奏して静粛性は高いレベルにあり、エンジン始動にも気づきにくい。
リアオーバーハングが延長されたことで荷室は広がり、それと引き替えに後席のスライド機構は廃止された。また、床下にバッテリーが搭載されているため、後席足元のフロアはガソリン車より45mm上がっている。同様にラゲッジフロアもハッチゲート開口部とツライチの高さに上がっているが、その下にはボックスが設けられて充電ケーブルとパンク修理キットが収まっている。
主要スペック(Pグレード)
●全長×全幅×全高:4545mm×1805mm×1685mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1920kg
●最小回転半径:5.4m
●パワートレイン:2.4L直4(128ps/20.3kg-m)+前輪モーター(82ps/14.0kg-m)+後輪モーター(95ps/19.9kg-m)
●駆動方式:4WD
●WLTCモード燃費:16.4km/L
●税込み価格:447万7000円(オプションを含まず)