ダイハツがDNGAコンポーネンツを公開

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ダイハツは数年前から新しいクルマづくりの手法として「DNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」を実践している。開発した技術が用いられる新型タントの発表に先がけ、成果の一部が公表された。

DNGAでは軽自動車と新興国ビジネスを両立させるために一括企画&開発を推進。反映されるクルマではプラットフォームやエンジン、トランスミッションなどが同時に刷新される計画だ。
プラットフォームには軽自動車用、Aセグメント用、Bセグメント用が同じ設計思想の下、拡大・縮小による相似形で用意される。強度アップによって曲げ剛性は30%上がる見通しだ。また、サスペンションのリニューアルやハイテン材の活用もあって車両全体で80kgの軽量化効果を得られるという(ただし、市販時には商品力アップを狙って装備が追加されるなど、車重は純粋にマイナス80㎏にはならない見通しだ)。

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その新しいプラットフォームに搭載されるエンジンとCVTも一新される。前者には日本初の複数回点火が用いられてシリンダー内の燃焼速度が早められ、取り入れられるEGRの量が増えて燃費向上へ。また、NAとターボでバルブの径と位置が作り分けられ、それぞれの圧縮比に合った仕様に仕立てられるのも見逃せない。

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一方のCVTは他社が副変速機付きを起用して変速レンジのワイド化を図っているのに対し、内製しているダイハツは今回ギヤを組み込むパワースプリット技術によって8速AT並みのワイド化を達成。具体的には約40km/hを境に遊星ギアを介してエンジンの動力を駆動系に直接伝え、結果的に伝達効率は従来よりも8%上がるという。これまでは高速域でベルトが滑らないようプーリーに高い油圧をかける必要があり、エネルギーロスの原因になっていたが、この点から解放されるのも朗報だ。遊星ギアを加えることでCVT単体の重量は5kgほど重くなるが、それでも燃費は60km/h走行時で約12%、100km/h走行時には約19%向上する見通しだ。高速走行時にエンジンの回転数が抑えられるため、静粛性が高まる点もメリットに挙げられる。

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安全面ではスマアシⅢをベースに全車速追従機能付きクルーズコントロールや車線逸脱を防ぐレーンキープ・コントロール、対向車を検知して照射範囲が切り替わるアダプティブ・ハイビーム、進入禁止の標識を認識してドライバーに注意を促すシステム、駐車枠の白線を認識してステアリング操作をアシストするスマートパノラマ・パーキングアシストといった新アイテムが勢揃いする。

冒頭で触れた一括企画&開発のおかげで部品共有率は軽自動車で75%、AセグメントおよびBセグメントでそれぞれ80%に達する。新型車の投入ペースは約1.5倍に上がり、25年までに15ボディ21車種をリリースする計画だという。これを受けてダイハツの自社開発車の生産台数は18年の約175万台から25年には250万台に増える。まもなく発売される第1弾の新型タントだけでなく、年内に登場する第2弾も楽しみだ。

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