三菱自動車は経営改革の一環として、2017年1月1日付で全社の組織体制の大幅な改編を行う。ルノー・日産アライアンスの一員として新たな歴史を歩み出すにあたり、経営体制を根本から見直し、持続的な成長の基盤を作り上げることが狙いだという。
新経営体制の中核となるのは、機能毎に配した4名の執行責任者(CxO)で、CEO・COOから大きく権限委譲し、トップマネジメントとしてのリーダーシップを明確にする。また、CEOは経営戦略の構築を担い、COOはCxOを統括しその実行にあたる。
旧来のピラミッド型組織については、部門制度を廃止の上、機能軸で各CxOの下に再構築。組織のフラット化と階層の簡素化により、コミュニケーションの円滑化や意思決定の迅速化を図る。
給与体系・報酬制度も大きく変更。業績目標を明確に設定し、それを達成した社員に報いる制度・文化を取り入れる。特に執行役員や重要ポストについている部長クラスについては、取締役の新報酬制度と同じ考え方に基づいた業績連動報酬制度を来年度から導入する方針。
これら施策の前提として、権限規定の整備を進め、幹部からの権限委譲を進めながら、「責任と権限」を明確にしていくそうだ。
三菱自動車は細かな改正概要を発表し、大幅な社内改革を推進することを発表したが、急な体制改革が長い間に染み込んだ社内体制にすぐになじむことができるのか、スムーズに移行できるのかが大変心配だ。少なくとも、まじめに働いている社員にしわ寄せがいかないように配慮してほしい。