F1マクラーレンチームと曙ブレーキ工業 パートナーシップ10周年でさらなる飛躍へ
本日午後、曙ブレーキ工業とF1マクラはさーレンチームは、週末に鈴鹿サーキットで開催されるF1日本グランプリを前に両者協業10周年にあたっての記者会見を開催した。以下は要約。
信元社長の挨拶です。ブレーキシステムを供給してから10年が経過した。
2002年度は大きな赤字を出した年で、なぜモータースポーツなのか?の否定的な意見があった。
まずマウンテンバイクから参入した。前後のバランス、ブレーキをかける指先のフィーリングも大切。さらにレースなので、開発スピードが求められる。その後、3年連続で世界チャンピオンになった。究極のブレーキを開発するには、やはりF1。当時、F1で日本メーカーのブレーキ供給実績はなかったが、マクラーレンの良いものは採用していく姿勢に感銘した。2007年以降、多くのことを学んだ。深い信頼関係があったからこそ続けられてきた。中期計画の中で、高級車への対応、高性能車への対応など、マクラーレンとの協業は役立っている。
ジョンクーパー氏は、
マクラーレンホンダが今年進化した理由について、
昨年はまだ製品が未熟なのを承知した上で、メルセデスに将来打ち勝っていくためには必要な時間だった。新しいパートナーシップを一から作っていく必要があった。新しいシャシーデザイン、パワーユニットも新しくなった。(ホンダと組むことで)開発が大幅に遅れたが、2017年はレギュレーションが変わる。大きな飛躍のチャンス。現在の6位からジャンプアップしたい。テクノロジーパートナーは成功に繋がるキー。曙ブレーキ工業との10年間のパートナーシップの中で、キャリパーはとどまるところを知らない進化がある。シナジーにより競争力を上げることが成功に繋がる。
来年からマクラーレンに乗るストッフェルバンドーン氏。
非常に興奮している。人生にとって大きな転機。冬の間にもやらなければならないことがたくさんある。チームのことは良く知っている。ブレーキは最も重要なパートと言っても過言ではない。テクノロジーパートナーとしての曙ブレーキ工業と仕事していくのはとても重要。
根岸利行専務執行役員。
10年前は不安と期待があった。2014年からはブレーキバイワイヤーを供給している。世界最高のブレーキを追い続けなければならない。キャリパーメーカーとしての欧州での認知度を上げなければならない。マクラーレンとの協業により、ベントレー、アウディ、ポルシェなど欧州高級車メーカーにブレーキを供給できるようになってきた。
質疑応答。
曙ブレーキがマクラーレンに声をかけた理由は?
やるからにはトップチームとやりたかった。歴史があり、最初の打ち合わせで良い印象。マクラーレンはサプライヤー目線ではなくパートナー目線だった。軽量化は温度コントロールが難しい。風をいかに有効に使ってブレーキを冷やすか。技術的な解析力が重要だった。(根岸さん)
ホイールは13インチ、来年幅広になっても13インチのまま。近い将来、ホイール径が大きくなる可能性はある。大きくなつまた場合、その空間をどのように使えるか。(マクラーレンの今井弘さん)
欧州事業拡大にマクラーレンとの協業がどのように役に立ったのか?
名前と製品を知ってもらえた。ブレーキについて、欧米以外のメーカーが入っていなかった。現時点では、ハイパフォーマンス系の開発生産体制が整っていない。当面はF1のみ。(信元社長)
F1日本グランプリが週末に行われるが?
鈴鹿サーキットはブレーキ負荷が軽いサーキット。だが、クーリングのバランスをとるのが難しい。合ったサーキットではないが、二台完走してポイントをとりたい。(ジョンクーパー氏)
曙ブレーキは日本の企業。日本グランプリでは良い結果を残したい。(根岸さん)