ダイハツが7代目ムーヴを発表&発売した。税込み価格は135万8500〜202万4000円で、月販6000台が計画されている。
5月12日に始まったティーザー活動に合わせて予約の受付が始まり、すでに月販計画台数の2倍(=1万台超)の受注を獲得しているという。
新型ムーヴにはDNGA世代の最新コンポーネンツが用いられ、足まわりとステアリング特性はムーヴ専用にチューニングされている。
パワートレインは660cc直3・NA(52ps/6.1kg-m。WLTCモード燃費22.6km/L)と同ターボ(64ps/10.2kg-m。WLTCモード燃費21.5km/L)で、電動化デバイスは採用されず純エンジン車に仕上がっている。
実用面では市場からの要望が多い両側スライドドアの採用が目新しい。スライドドアとスタリッシュなエクステリアを両立させることは簡単ではないが、「動く姿が美しい、端正で凛々しいデザイン」をテーマに仕立てられた。
これまでムーヴは標準車とカスタムの2本立てで構成されていたが、先代では購入ユーザーが重複して従来ほど売り分けできず、また、月販6000台程度で2種類のマスクを用意するのは難しいとの理由から一本化された。
物足りなさを感じるユーザー向けにはアナザースタイル(後述)と称して、生産ラインで組み付けられる専用パーツとディーラーオプションがセット化された推奨パッケージが用意されている。
軽自動車マーケットではタントなどの大空間ワゴンが主力となり、市場全体の6割がスライドドア車になった。ただ、ムーヴに乗り続けているユーザーにヒアリングを行うと、大空間ワゴンはアイポイントが高すぎたり走行時の安定感が足りない、頭上スペースが広すぎて落ち着かない、四角いフォルムが好きになれない…などの理由で移行できずにいるという。そういったユーザーの代替えを促す狙いで新型ムーヴは開発された。
報道発表会で井上雅宏・社長は「ダイハツのクルマづくりを牽引する重要なモデル」と紹介した。
ターゲットは、かつて「新人類」と呼ばれた世代で、子育てを終えた50〜60代のポストファミリーがメインに据えられる。近年、流行っていて、当時をリアルタイムで知る彼らの心に刺さるシティポップカルチャーがCMに取り入れられ、永井博さんのイラストと山下達郎さんの書き下ろし楽曲「MOVE ON」が使われている。CMの後半は実車が走っている姿とイラストが合成され、ムーヴのキャラクターに合わせて動いている姿をアピール。
<アナザースタイル>
ダンディスポーツ・スタイルではダークカラーの外装パーツ(1万1000円)がライン装着され、前後スカートやリアガーニッシュ(11万8910円)をディーラー装着することでスポーティさが強調される。
ノーブルシック・スタイルはライン装着の合皮コンビシートとカッパー色の内装パーツ(2万2000円)に、同じカッパー色の外装パーツ(16万5770円)を組みわせるとエレガントな雰囲気が強まる。
交換装着のパーツをあらかじめ生産ラインにて組み付けることで廃棄が減ってムダにならず、一方で位置合わせなど精度が求められる追加パーツはディーラーオプションにすることで効率化を実現。セット装着が推奨ではあるが、もちろん単独で選ぶこともできる。
なお、都内で開催された報道発表会の会場には95年に登場した初代から6代目(先代)までが展示され、累計販売340万台の軌跡を懐かしむ声も聞かれた。

●初代<95年デビュー>

●2代目<98年デビュー>

●3代目<02年デビュー>

●4代目<06年デビュー>

●5代目<10年デビュー>

●6代目<14年デビュー>