マレーシアで6年ぶりにモーターショー開催(後編)

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東南アジアでは自動車産業が活発なタイやインドネシアも含め、新車販売ではトヨタが高いシェアを誇るのが特徴だ。しかし、国民車、つまり自国量産ブランドを持つマレーシアでは少々事情が異なる。

マレーシアにはプロトンとプロドゥアの2つの自国ブランドが存在する。とはいうものの、プロトンは中国・吉利(ジーリー)汽車が49.9%出資しており、ラインナップされるモデルの多くはジーリー車がベース。
一方、プロドゥアはダイハツと三井物産が出資しており、ラインナップされるのモデルは多くは海外専売のダイハツ車と姉妹関係にある。例えば日本でも人気の高いロッキーをベースにしたアティバ、東南アジアではいまもなおラインナップされているテリオスをベースにしたアルズなど。

この2つは国民車ブランドとも呼ばれており、これ以外の外資ブランドにおける販売トップはトヨタで、2023年の販売シェアは13.3%だった。これにホンダが10%で続いている。

そのトヨタはクアラルンプール・国際・モビリティ・ショーの開幕前日(12月4日)のメディアデーでのプレスカンファレンスにおいて、新型カムリと改良型カローラクロスを発表した。新型カムリはすでにアメリカやタイで発表されているが、ハイブリッド仕様のみとなっている。プライベート用と社用車向けの仕様があるが、いずれも24万7533リンギット(約841万円)。
一方のカローラ・クロスはタイなどで発表されており、日本仕様とは異なる顔つきを採用している。ハイブリッドユニットのほか、1.8Lガソリンエンジン車もラインナップ。ハイブリッド標準車で14万800リンギット(約480万円)。

ホンダは日本を除くアジアでの初披露として真っ赤なプレリュード・コンセプトを発表した。具体的な販売計画などは明らかにされていないが、タイでもなく、インドネシアでもなく、マレーシアでのアジアプレミアは何か意味深なものを感じてしまった。

マツダは2025年の発売に先立ち、CX-60のマレーシアプレミアと、CX-80のアジア地域初披露を行った(正式発売などは未定の模様)。

さらに、CX-5をベースに専用の19インチホイールやグリル、サイドミラーなどを装着した架装モデルのMSリミテッド・エディションも発表した。このMSリミテッド・エディションへの架装はCX-5のどのグレードでも選択可能で、架装の車両価格は14万4469(約491万円)から18万8760(約641万円)リンギット。5つのパターンが用意されているとのこと。

ここマレーシアでは国民車ブランドがいわゆる大衆車的なモデルの販売の主力となっており、日本車も含む外資ブランドはそれらの少し上を行くモデルから、さらなる上級車をフォローしているように見える。そのなかでバランスよく、そして高い注目を浴びる日本車はとても印象的だ。

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