自動車総連(髙倉明会長)は、1月14日、都内で第88回中央委員会を開催した。今年の春闘の取り組み方針などを決めた。以下は記者説明会の要旨。
髙倉 明会長の発言。
競争力の源泉は人。経営側には今の業績云々ではなく先行投資してもらいたい。
将来不安の払拭!
実質賃金マイナス傾向が続く。消費マインド低下をいかに打破していくのか。
賃金引き上げに取り組みたい。
カーボンニュートラルを政権は発信している。商品戦略も変わる。優秀な人材を育てていくのが企業にとって重要課題。人材の確保と定着について労使で詰めていきたい。
ありとあらゆる産業が自動車産業の影響受けている。多くの中小中堅企業に支えられている。現場力強化と適正なら配分。
去年春を底に回復基調にはあるが。
上げ幅の共闘は3年前からやめている。上げ幅だけでは格差是正はできない。
取り巻く環境は厳しい。各単組は厳しいが。
絶対額を重視したことで着実に成果が出始めている。大手を上回る。
厳しい状況だが、取り組みを強化する。生産性向上など職場のチカラをもっと高める。「高めよう!職場の力」。
基本方針は、底上げ、人への投資、働き方の改善。労使で協議すべき。
総連として上げ幅基準は出さない。各単組で絶対額にこだわる。12ページが重要。
賃金全体の高さでは格差是正に繋がらない。
目指すべき賃金水準とは?
生産性向上、働き方改革を目指す。
質疑応答。
Q トヨタ労連はベアを要求しないとしている。
A ベアについて共闘していない。トヨタはトヨタ。ダメとは言えない。
Q 浜口誠の国民民主に参加。磯崎、古本議員は?
A 野党再編をやってきた。今もひとつの塊を目指している。参議院比例は政党に所属しないといけない。国民民主党含めて過程にある。浜口さん以外の推薦は決めていない。
Q 総連としてはベアを要求、金額は掲げない?
A そうではない。方針から外れるわけがない。事業環境が異なる中で要求決めてくれ。
2019年から3年目。足の長い取り組み。
Q 今年重視すべき点は?
A 優先順位というより、危機的な状況をどうやって乗り越えていくのかしっかり議論してもらう。
経営側は「好循環サイクル」を言うが、働く意欲に繋がるようにしてくれ。
Q 上げ幅の目安を示した方が効果的ではないか?
A 粘り強くやる。経営側も上げ幅だけで論議すると、大手を引き合いに出される。
Q 能力向上と全体底上げは矛盾しないのか。A 透明性と納得性を持って議論していく。それが全体底上げにつながる。「頑張らない人」まで(報酬を)上げてくれ」とは言わない。
Q 「トヨタ一強」で競合他社は業績が思わしくない。単組ごとと言っても交渉が難しいのではないか。A 「トヨタ一強」という意識はない。部品メーカーも系列を超えて仕事している。
Q ユーザー負担軽減への取り組みについて
A 特に地方は一人一台クルマを所有している。クルマは生活必需品なのに、税制は裕福な人を対象としているかのようだ。自動車産業は裾野が広い。負担軽減に取り組む。
https://www.jaw.or.jp/
取材・文/神領 貢(マガジンX編集長)