BEV(電気自動車)の開発&発売で電動化技術に先鞭をつけた三菱はPHEVを柱のひとつに据えており、BEV普及期までの間、この方針を変えることなく事業を続けていく。
そのPHEVの可能性を再認識したことで、三菱はこれからアウトランダーをヨーロッパに投入する。これを見越してマイナーチェンジが行われた。
外観はフロントグリル、前後バンパー下部、アルミホイール、リアコンビランプのレンズ色が見直された程度で、大きな変更はない。
今回の手直しではバッテリーが丸ごと刷新され、容量は20kWhから22.7kWhに増えた。バッテリー単体の出力は60%も向上し、EV航続距離(カタログ値)は83kmから20%以上も伸びて102kmに到達。現行モデルへの世代交代を機にバッテリーは日産とのアライアンスを活用してAESC製に切り替わったが、今回のマイナーチェンジで再びGSユアサ製に戻された。
前述したようにヨーロッパに投入するにあたり、速度域の高い現地の交通環境下でも息切れせずに高い出力を出し続けられるバッテリー特性と、高出力状態が続いても発熱しにくく冷やしやすい構造が求められたことから、セルはパウチ型から一般的な角形に設計し直されるなど全面リニューアルされた。
併せて改良されたのがアクセルペダルに対するレスポンスだ。マイナーチェンジ前は踏んだ瞬間のトルクの立ち上がり、離した時のトルクの途切れ方が少し急で乗員の頭部が揺すられる傾向があった。今回の改良ではどちらの場面においても、わずかにマイルド方向にチューニングし直されて快適性が上がった。
高級感あるインテリアは現行モデルで好評を博しているポイントのひとつ。今回さらなるクオリティアップをめざし、細部に手が入った。例えば本革シートにはヒーターに加え、暑い季節に重宝する前席ベンチレーション機能を新たに採用。また、スマホ連携ナビは9インチから12.3インチに拡大され、見やすさと操作性が向上した。
ルームランプなどの室内照明は光源がLEDに変更されただけでなく、触れるだけで操作できる静電タッチ式に変わった。このほか、アルミペダル、フレームレス電子ルームミラーの採用の見逃せない。
リスニング環境では全車にヤマハとの共同開発オーディオが新採用された。最上級グレードには12スピーカーが、それ以外のグレードには8スピーカーが備わっているだけでなく、ドアパネル内側に制振材が配されてサービスホールが塞がれるなどのデッドニングも実施。12スピーカーユニットでは楽曲のジャンルに合わせてサウンドを選べるほか、サラウンド機能も含まれている。
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