大径タイヤにもかかわらず高い静粛性を誇る新型クラウン

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7月のワールドプレミアでシリーズを形成する4つのモデルが披露された新型クラウン。その第1弾にあたるクロスオーバーが発売された。大径タイヤを履いて車高が高めに設定された同車はトヨタ社内で20代のデザイナーが自ら欲しいセダンをイメージして描いたスケッチが発端になったという。
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デザインに関しては個々人の好みもあり、賛否両論に別れるのは世の常。新型クラウン・クロスオーバーの外観はメッキパーツが少なく、モダンな印象が強くて「これはこれでアリ」と思わせるルックスに仕上がっている。
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エンジンは横置きに変わり、車台にはGA-Kプラットフォームが使われている。ただし、操舵輪に大径タイヤを履けるよう前半分にはハリアーなどのSUV用、後ろ半分には高い快適性を確保するためにセダン用が起用されている。
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室内は先代の弱点でもあった素材のチープ感が改善され、高額車両に乗っているという満足感が伝わってくる。ただし「生まれ変わった新しいチャレンジ」という観点で眺めると、エクステリアほどのインパクトはない。プロペラシャフト不要のレイアウトに変わったにもかかわらず大きなコンソールが継承されている点はその典型。もっとも「これがクラウンらしい安心感」と言われれば、確かにそのとおりではある。
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一方の後席は従来のセダンと同じくキチンと座れるパッケージングに仕上がっており、リアクォーターウインドウのおかげで開放感も得られる。シートの硬さ・柔らかさは好みもあるだろうけれど、とくに後席シートバックは柔らかくて背中の沈み込みが気になり、もう少し支えてくれる感覚が欲しいと感じた。
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走り出して真っ先に関心したのは静粛性の高さで、トランクまわりなどボディ剛性が高められた効果が生きている。高速走行中の会話明瞭度も高く、開発陣が念頭に置いたセダンとしての快適性は達成されていると言えよう。あまりに静かなため、Aピラー付近で発生するわずかな風切り音が耳についてしまうのはご愛嬌か。
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「すでに2万5000台を受注していて若年層や女性からの注目度も高い」(関係者談)というから、クロスオーバーの発売でスタートを切った16代目クラウンは順調な滑り出しを見せていると言えよう。あとに控えているスポーツ、セダン、エステートが出揃った時、クラウンの全体像が消費者の目にどのように映るのか、興味深い。

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