来年度の自賠責保険、賦課金額年内決定へ

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来年度の自賠責保険、賦課金額年内決定へ

 

令和5年度の概算要求予算が発表された。今回ピックアップしたのはクルマ所有者なら誰でも入らなければならない自賠責保険の賦課金上げだ。被害者救済の質向上を狙って、私たちユーザーからさらなる負担を求めるものだ。

来年早々には毎年の自賠責保険料を決める自賠責保険審議会が金融庁で開催される。賦課金の上げ幅は必然的に年内に決めなければならないわけだ。そのための検討会は今月を含め、あと2回開催される予定だ。

賦課金の値上げ額は国会審議により「150円以内」と定められた。別表の通りだが、これには従来から制度に盛り込まれている無保険車、ひき逃げ等による被害者救済のための賦課金16円は含まれていない。したがって賦課金上げは最大で166円までありうるということだ。なお、損害額の減少で保険料自体が下がれば、保険料総額の上げ幅は圧縮される。

自賠責保険を担当する国交省自動車局保障制度参事官室と話した。「ユーザーは自賠責保険だけでなく、所有と使用による公租公課をたくさん支払っている。給付金のパラまきとならないようにして欲しい」と話しておいた。

これまでもさんざん指摘してきたように、一般会計からの繰り戻しは遅々として進まず、いまだに6000億円超もの運用益が返ってきていない。損保などの運用益事業についても詳細の説明はない。賦課金値上げの検討会も非公開である。

逃げられない強制保険なのに、そのコストについてプラックボックス化している現状を関係者はどう考えているのだろうか。追及の手を緩めてはならない。

 

取材・文/神領 貢(マガジンX編集長)

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