トヨタ自動車は2月9日、同社第3四半期累計決算を発表した。それによると売上高にあたる営業収益は23兆2670億円(前年同期比3兆7417億円増)、営業利益2兆5318億円(同1兆239億円増)と大幅増収増益となった。為替の円安の影響に加え、営業面で粗利益の大きい車種の販売増加や販売奨励金の削減が効いている。期中の営業利益率は前年同期の7.7%から10.9%に高まった。
トヨタもご多分に漏れず部品不足による生産休止が伝えられていたが、9カ月間の連結販売台数も伸びた。609.6万台は前年同期比12.1%増加した。国内は同5.7%減の142.7万台だったが、北米(180.5万台)、欧州(76.0万台)、アジア(111.8万台)の各地域で前年同期を超えた。なお、コロナ禍前の2019年第3四半期販売台数685.8万台には及ばない。
2022年3月期の見通しについて。連結販売台数は前回発表時から30万台減の825万台とした。前期実績764.6万台からは60万台余り増加する見込みだ。通期の営業収益は前回発表時から5000億円減の29兆5000億円、営業利益に変更はなく、同2兆8000億円を維持した。想定為替レートを1米ドル111円(前回見通し比1円の円安)、1ユーロ129円(同1円の円安)と円安方向に修正したものの、実勢水準はなお円安で推移していため、状況次第だが、営業利益の上振れも期待される。
文/神領 貢(マガジンX編集長)