初代と同じく、7代目にあたる新型Zが米国ニューヨークでアンベールされた。
公開された米国向けには「スポーツ」と「パフォーマンス」の2グレードに加え、限定240台の「プロトスペック」もラインナップされる。「プロトスペック」は黄色いブレーキキャリパー、ブロンズ塗装のアルミホイール、イエローステッチ入り内装パーツなどを採用。
パワートレインは400ps/475NmをマークするVR30DDTT型3L-V6ツインターボで、6速MTのほかに新開発の9速AT(パドルシフト付き)も用意される。AT車はスタンダード・モードとスポーツ・モードに切り替え可能で、ステアリングやVDCも制御される。また、日産のFR車として初めてローンチ・コントロールを採用。
前後サスペンションには新設計のモノチューブダンパーが採用され、減衰力は現行モデルより20%ほど低減されて路面からの凹凸ショックを低減。クルマとの一体感が味わえるようチューンされ、路面追従性と操縦安定性も作り込まれたという。
タイヤサイズは「スポーツ」が前後245/45R18、「パフォーマンス」と「プロトスペック」が前255/40R19&後275/35R19。
外観には歴代モデルに受け継がれてきたロングノーズが踏襲されている。LEDヘッドランプのデザインはS30型を彷彿とさせる2つの半円で構成。また、リアコンビランプはZ32型にインスパイアされたもので、浮かび上がって見える3Dタイプに仕上がっている。「パフォーマンス」には過去にマガジンXでスクープしたリアスポイラーが備わる。ボディカラーはモノトーン3色とツートーン6色から選べる。
3つのモードに変えられる12.3インチのデジタルメーターと9インチ画面(Apple CarPlayおよびAndroid Autoに対応)で先進感が演出される一方、インパネ中央には伝統の3眼サブメーターも配置されてタイムレスな雰囲気がかもし出される。内装色はグラファイト、レッド、ブルーの3色。
新型Zの米国仕様は22年春に現地で発売される。日本仕様は今冬デビュー予定だ。
8月17日の夜(現地時刻)にニューヨークで行われたイベントは、まず現地で撮影された歴代モデルの走行ムービーから始まった。続いて冒頭のプレゼンテーションもライブ中継で配信され、最高執行責任者で北米日産の取締役会長も兼務しているアシュワニ・グプタさんが登壇した。
グプタさんは「Zは常に手の届くスポーツカーであり続けている」と切り出し、かつて自身もZを運転してクルマとの一体感を味わった経験を語った。そして「1年前にプロトタイプを公開した後のみなさん(=市場)の反応や予想を見るのが楽しかった。見てのとおり、量産モデルはプロトタイプと95%同じ」と最新版を紹介した。「ユーザーに選択肢を残した」として6速MTが用意されることを述べると、会場からは拍手が沸き起こった。