ドイツのBMW本社で外観デザイン・ディレクターとして活躍している永島譲二さんを囲んでのサロンが開催された。
![7C40496A-FC9E-4438-AB48-A42AD3093EB0](https://i2.wp.com/mag-x.jp/wp-content/uploads/2018/11/7C40496A-FC9E-4438-AB48-A42AD3093EB0.jpeg?resize=300%2C225&ssl=1)
永島さんはまもなく国内デビューする8シリーズのほかに、パリモーターショーで公開された3シリーズとZ4の見どころを解説した。3車に共通しているのは駆動輪であるリアタイヤを強調することと、前輪後方からの空気の抜けを感じさせるエアブリーザの採用だ。
8シリーズはグランドツアラーよりもスポーツ色の強いクーペをめざし、ボディ側面の凹面で陰影を作り出して視覚的な重さを解消。リアフェンダーに力強さを感じさせる造型が織り込まれているのは言うまでもない。
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![IMG_4611](https://i1.wp.com/mag-x.jp/wp-content/uploads/2018/11/IMG_4611-e1541464398700-300x200.jpg?resize=300%2C200&ssl=1)
Z4では縦方向の強調されたヘッドランプがBMWとしては目新しい。キドニーグリルの外側頂点は下げられているが、これは8シリーズにも見られる処理で、スポーツモデルに共通して起用されている。また、ボディ側面が光を受けた際に陰影を見せる点も8シリーズと共通だ。
![IMG_3657](https://i0.wp.com/mag-x.jp/wp-content/uploads/2018/11/IMG_3657-e1541464351156-300x200.jpg?resize=300%2C200&ssl=1)
![IMG_3659](https://i0.wp.com/mag-x.jp/wp-content/uploads/2018/11/IMG_3659.jpg?resize=300%2C200&ssl=1)
注目度が高くて販売台数を稼ぐ使命もある3シリーズは、サイドウインドウ後端のホフマイスターコーナーが曲線からエッジの立ったラインに変わっている。ただし、実際のドア開口線は異なり、一部は黒いガーニッシュで構成されている。また、ヘッドランプ下端の一部にボディ色が食い込んでいるのも特徴的だが、これはE46型へのオマージュから発案されたものだそうだ。安全基準の強化と乗員の体格アップに伴ってクルマのサイズはモデルチェンジの度に大きくなっているが、新型3シリーズは大きさを感じさせずコンパクトに見せるためにリアエンドをサイドへと回り込ませてある。
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![IMG_3645](https://i0.wp.com/mag-x.jp/wp-content/uploads/2018/11/IMG_3645-e1541464319662-300x200.jpg?resize=300%2C200&ssl=1)
3車ともボディ側面の反射や陰影が重視されているが「実用車である4ドアセダンは全幅に制限があって無闇に広げられず、面構成も制限を受けてしまう。現に3シリーズの全幅は日本の車庫事情に合わせて決められている」と永島さんは説明する。
また、最近の若いデザイナーはスケッチ段階からコンピュータを使うのが常套手段で、「紙の上にペンを走らせるとアイデアが浮かんでくる」という永島さんの仕事の進め方とは違いがあるそうだ。
いまBMWの販売台数のうち36%はSUVで、まだまだ伸びる余地はあるという。そのSUVは「シルエットの自由度が高く、セダンよりもさまざまなチャレンジができる」と永島さんが語るように、この先も目を引くようなデザインが生み出されることに期待したい。