リーフの国内累計販売が10万台を突破し、日産は「ゼロエミッション社会の実現に向けて」と称したフォーラムを開催した。
ダニエレ・スキラッチ副社長は2010年に初代を発売した時「EV投入は早すぎるのでは?」「EVが普及する時代なんて来るのか?」など各方面から疑問の声を投げかけられたが、「いまや各社が追随している」としてパイオニアであることの自信を見せた。ちなみにグローバルでは51カ国・32万5000台の販売実績を残していて、オーナーによる走行データはEV開発にも活用されているそうだ。
一方、星野朝子専務は「EVは単なる移動手段ではなく、動く蓄電池でもある」として電気を貯めてから取り出す活用方法を紹介した。日中に太陽光で発電された電気をEVに貯めておいて夜間に給電するバーチャルパワープラントもその一例だ。このほか、排ガスを出さないメリットを活かして観光地に入っていけることや、海外ではEVの高速通行料および走行車線が優遇されている例も紹介された。
後半には特別講演として小池百合子・東京都知事が登壇。「いま取り組んでいる時差ビズ(=時差通勤)と並んでZEVで流行語大賞を狙いたい」とした上で、東京都として集合住宅への充電設備導入の負担額を実質ゼロにする、都立公園など都の施設に充電設備を充実させていく、更新時期を迎える庁有車の一部をEVに切り替えていくといったことに取り組んでいくという。なお、5月22&23日に行われた国際会議で小池都知事は、2030年までに都におけるEV/PHV/FCVの販売台数を乗用車販売の半数以上に引き上げる目標を掲げて「メーカーや販社に努力してもらい、都としても必要に応じてサポートしていく」とした。
このほか、CHAdeMO規格の開発に尽力した東京電力・経営技術戦略研究所長の姉川尚史氏、営業車にリーフを導入しているコカ・コーラ ボトラーズジャパンの吉松民雄社長が講演にて各々の取り組みを紹介した。