トランプ大統領がアメ車が日本で売れないと言っています。そりぁそうです。日本のユーザーが欲しいクルマがラインナップされていないのですから。で、日本市場に目を向けてみると、日本でも同じようなことが起こっていることに気がつきました。
昨年の乗用車新車登録台数は、自販連の統計で前年比3.6%増の280万1491台でした。外国メーカー車はほぼこのカテゴリーに入りますが、その数字は日本自動車輸入組合の統計で史上最高の29万5114台(前年比3.4%増)となりました。ドイツ車が上位を占めています。乗用車における外国メーカー車の事実上のシェアは1割をゆうに超えているわけです。この傾向は今後さらに高まるものと考えられます。日本メーカーが国内市場にチカラを入れていないことが理由として挙げられます。
http://www.jaia-jp.org/wp-content/uploads/private/201612NewCarNews.pdf
http://www.jada.or.jp/contents/data/type/type00.html
http://www.jada.or.jp/contents/data/type/index04.html
日本ブランドも日本専用車を作るのをドンドンやめています。特にミドルクラスから上はグローバルカーばかりになってきました。グローバルカーはなかなか日 本では成功しません。日本の道路事情からすると、サイズが大きい上に日本ブランドには乗り味や設えの個性や高級感が乏しいからです。逆にグローバルカーが主戦となってきてミドルクラスから上はドイツ車が強い状況。お金よりもこだわりを大切にしている人からすれば、ドイツ車のテイストが心に刺さるのもうなづけます。
個性を求める人に支持されて「ミニ」などコンパクトクラスでも強い外国メーカーモデルが増えつつあります。
壊れない、販売店のサービスが良い、外国メーカー車には馴染みがない、さらに販売会社がいまのところ、たくさんの保有客を抱えており営業がしやすいなどの理由で、日本ブランドはなんとかやれている状況ですね。売れているのは外国メー カー車のライバルがいない軽自動車、ハイブリッド、ミニバン、それにいくつかのSUVくらいというのは情けない限りです。
クルマの個性では日本ブランドは、ヨーロッパ車に敵わなくなってきているように思います。私もお金があったら外国メーカー車を買いたいくらいです。
結局、日本ブランドは米国や中国、ASEANなど大市場、伸びている市場に合ったクルマを開発しているから、その市場で受け入れられている。縮む日本市場のミディアムクラス以上は最早、捨てていると言うのが現実なんでしょうね。
話は変わって、昨日、2代目プリウスPHVが発表されました。
ハイブリッドを国内モデルのスタンダードにしてきたトヨタ。次はPHVを次世代環境車のスターに育てていきたいと言うことでしょう。
PHEVとしてはドイツ車よりも安く市販するので、環境志向の強い日米ユーザーには一定程度受け入れられそうです。
が、経済合理性からはまだまだお高い。本来なら国が補助金などで、もっと日本市場での普及の後押しをしてあげても良いのではないかと思います。国内生産確保のためにもね。2代目プリウスPHVは、トヨタのロードマップの中のひとつのマイルストーンです。プリウスに対して割高な印象を持つユーザーは多いと思いますが、供給する立場から言えば、かなり頑張った価格設定だと思います。
モーター駆動メインで、エンジンとのパラレルハイブリッドとしても高度な制御をし、かつプラグイン。トヨタの新技術満載です。2度も発売延期するなど量産体制でも苦労しました。
次のマイルストーンは何か?少し宣伝っぽいのですが、次号のマガジンXで、トヨタの考える環境車に対する当面の答を明らかにします。