Honda、言語解析技術を用いた対話型インターフェースソフトウェアの基礎技術を開発

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Hondaの研究開発子会社である、HRI‐JPホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン、は、人工知能研究における成果の一つとして、言語処理を支援するソフトウェア「対話システムツールキット」を開発し、他の企業への技術供与を始めたという。

対話システムツールキットは、言語解析技術を一つのパッケージにしたもので、AIを使った対話型インターフェースの基礎技術のひとつ。HRI‐JPはこの技術をNEXCO東日本と、AIのベンチャー企業であるネクストリーマーに提供。NEXCO東日本とネクストリーマーは、これを活用した顧客向け対話接客システムの実証実験を2016年11月19日に開始するそうだ

一般的な対話型インターフェースシステムには、同じ意味が人によって異なる単語、表現で発話されたときも、システムが同じ意味として認識できる言語解析技術が必要。対話システムツールキットは、この言語解析の機能をパッケージ化し、汎用性を持たせることで、さまざまなシステムへの流用を容易にし、開発工数の軽減を可能とした。これはHondaのASIMOなどのロボティクス領域で培われた技術をもとに開発されたもの。

この対話システムツールキットを活用した対話接客システムの実証実験が、NEXCO東日本とネクストリーマーにより行われる。関越自動車道の高坂サービスエリア(下り線)に設置される対話接客システムには、ネクストリーマーが開発した対話型インターフェースソフトウェア「MINARAI(ミナライ)」が搭載されている。

このソフトウェアは、会話を学習することで知能を蓄積し、より高度な会話を実現することを特長としているという。今回の実証実験に用いるMINARAIには、対話システムツールキットの言語解析技術が採用されており、より精度の高い対話の実現に貢献しているそうだ。

HRI‐JPは2003年の設立以来、「Innovation through Science」を活動理念とし、10年以上にわたってAIやゲノム、ナノテクノロジー素材など、機械工学の枠を超えた研究開発を行ってきた。対話システムツールキットの技術は、HRI‐JPがAIの研究開発過程で得た成果の一つであり、今回のNEXCO東日本とネクストリーマーへの提供をはじめ、さまざまな分野・企業の対話型インターフェースの基礎技術として活用されることが期待されているという。

AIを使った対話型インターフェースの基礎技術が進歩すれば、コミュニケーションの幅が広がりそう。今後が楽しみだ。

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