廣瀬社長です。 今シーズンは昨年より1週間早い雪氷対策を行った。長い積雪寒冷地を通るネクスコ東日本管内の高速道路のうち、6割が(とくに重点区間となっいる)重雪氷区間。 冬タイヤの装着やチェーンの携行を早めに行って欲しいと呼び掛ける。雪氷対策として、ブリヂストンと共同開発したISCOS、凍結防止剤最適自動散布システムを本格運用する。 タイヤ内面にセンサーを装着して、最適な散布量を把握し、自動的に散布する世界初の技術。前年度の実施実績で1割の凍結防止剤削減ができた。28年度までに札幌、岩見沢、旭川の3支社に雪氷巡回車9台と凍結防止剤散布車21台を入れたが、平成29年度を目標に北海道支社管内の全雪氷基地に配備する予定。凍結防止剤削減は直接のコスト減に加え、塩害による道路構造物の腐食低減効果が大きい。 熟練者不足にも対応する。将来的には現状2名で散布車1台をオペレーションしているのを一名乗車に切り替えていくことも視野に入れている。世界で雪氷対策のことなら、「ネクスコ東日本に聞いてください」と言うところまで行きたいと廣瀬社長は語ります。
外環道路の三郷南から高谷JCT間を平成29年度末、全線開通を目指している。 11月9日に火入れ式を行う。東名とのJCTで外環道路のシールド工事の開始は、なるべく早くやりたい。 でも年内は難しそうです。
10月20日夜間に道東道、札樽道、道央道などで降雪を観測した。今冬の見通しは平年並みだが、北海道の直近1カ月は雨や雪の日が多いと言われている。
今シーズンは交通確保を目指す。4月末まで、HPで雪道キャンペーンを行う。
9月の営業概要。 通行台数は前年同月比1.2%増の292.3万台。料金収入は前年並みの690億円。累計では前年同期比1.7%増の4228億円。 SA.PAの売上高は、前年同期比9.3%の大幅減少。シルバーウイークの並び、天候不順などが影響したと言う。 ETC利用率は88.9%。
質疑応答。
ネクスコ東日本管内3800キロ強で年間16万トンの凍結防止剤を使っている。構造物への腐食等の影響があるが、代替品がない。
ISCOSの投資額はCAIS開発費(高速道路への適用)に、凍結防止剤自動散布装置車載端末装置の開発費を加え、トータルで約4600万円。ブリヂストンの特許技術であるCAISと凍結防止剤自動散布装着を組み合わせた。
平成28年度のランニングコストは?
CAISを搭載した雪氷巡回車9台と凍結防止剤自動散布装置を搭載した散布車21台で約3,200万円。
雪氷巡回車へのCAIS搭載・運用:約300万円/台・シーズン
主な内訳としてタイヤ台、制御装置のリース費用やソフト費用、通信費や運用費など。
凍結防止剤自動散布装置の運用:約30万円/台・シーズン
主な内訳として制御装置費用、通信費や運用費など。
雪質が北海道、東北、新潟で異なる。安全性に十分注意しながら、開発と普及を進める。札幌、岩見沢に続き、今年度は旭川。29年度には北海道の全9支社に導入予定。その後、他の支社へ。 オーストリアの高速道路管理会社と協力しているが、世界ともう一社くらい提携したいと考える。
逆走防止の対応について。 昨年発表分30箇所はすべて対策済みとなっている。 先日も80歳前後の方ら3名がなくなった。高速道路全体で事故が増えてきた印象がある。形態は様々。 「2030年までに逆走事故ゼロを目指す」目標に向け、やっていきたいと廣瀬社長。
http://www.e-nexco.co.jp/pressroom/press_release/head_office/h27/1127/
※おことわり※会見場からのツィッター速報に対して、一部ネクスコ東日本から訂正が入りましたので、訂正して記事を掲載しています。ご了承ください。
取材・文・写真/神領 貢(マガジンX編集長)