スバルの前3月期決算は、売上高3兆4052億円、前年同期比2.4%増、営業利益3794億円、同7.6%減と増収減益となった。世界販売台数は同0.2%増の106万6900台と過去最高を記録した。
アメリカで67万台、海外全体で90万台超。国内は登録車13万台程度の全体で107万台の販売実績です。今年度は国内の減少分をアメリカの伸びで支えて合計110万400台の計画となっています。
質疑応答。スピーカーは吉永社長と岡田CFO。
Q 円高と貿易摩擦について。
A 気にして見ている。為替は日米の金利差が広がるが、どっちに動くか分からない。貿易摩擦についても注視している。トランプ政権からも強い要請が出てくる可能性がある。最終的に決まった内容を見ながら、できることは何かを考えていきたい。
Q 固定費が増えている理由は?
A 生産能力増強を国内外で行ってきた。SIA40万台体制のための設備投資をおこなってきた。
Q 検査不正の影響処理は?
A リコールは250億円の引き当てを行なった。販売への影響は金額面で大きな影響はない。去年は国内のインプレッサが去年の売れ行きに比べれば落ちている。
Q 中国の外資規制緩和について。
A 2011年に工場設置申請をしたが、現在は輸出で対応している。何も動いていない。
Q 今期の営業利益に一連の費用を見込んでいるのか?
A 数字には表れていないが、教育の費用などもある。が、大きな問題ではない。
Q 今期のインセンティブ予想は?台あたり2000ドルから2200ドルに上がるのは?
A 一連の不正はアメリカには影響していない。金利分を上げる見込み。上期の方が下期よりも使うかなぁ。
Q 営業利益で上期と下期で差があるのは?
A上期がきつく、下期に収益が上がると見込んでいる。新型フォレスターが秋以降になる。日本はもう少し早い。
Q 中国市場の扱いは?
A率直に言って販売台数が減っている。「安心と楽しさ」は日米では当たっているが、中国には響いていない。ロシアは経済環境ぐ良くなってきた。台数も伸びてきた。オーストラリアも過去最高。台湾も伸びている。
Q スバルには何が足りないのか?
A 自動車会社としては規模が小さい。量のチカラでは闘えない。結局はブランド力。少し価格が高くても買いたいと言われたい。環境対応のコストを吸収できるブランドになりたい。クレームが増えている。とにかく実力をつけながらお客様に訴えていく。もう少し利益率を上げていくために足元を固める。
Q 試験研究費が前年度に比べて減っている。
A減らしたいわけではない。予算だけとっても使い切れない。減少と言ってもわずか。ほぼ同等の認識。次に出すクルマの開発費が半分を占めている。開発の山谷の影響が大きい。電動化、運転支援も非常に大きな要因。次の世代に切り替えていく中で踊り場に差し掛かっている。特に無理して抑えているわけではない。来年度以降、電動化などで増えることを覚悟している。
Q 国内販売見込みが下がっている。
A 昨年はインプレッサとXVがものすごくヒットした。今年度は冷静に見ている。登録車を毎月1万台売りたい。完成検査不正で影響ありませんと言うことではない。販売を回復させていきたい。
Q アメリカでの工場新設について。
A 貿易の不均衡については、強く意識している。もうひとつ工場を作る計画はない。SIAはもともと20万台だったのを40万台と2倍にしている。それでも不均衡だよとの指摘はあり得る。SIAをさらに発展させられる可能性があり得るかどうか。が、雇用が難しくなっている。景気がいいのでサプライヤーも含めて雇用ができないと言われている。アメリカのお客様には貢献しなければならないと思っている。アメリカのお客様に買っていただいているので。