キャデラックとアンディ・ウォーホル・ミュージアムは、複数年間のパートナーシップを締結することと、「アンディ・ウォーホルへの手紙」と題したグローバルに巡回する新たな展示を実施することを発表した。
この展示会では、ミュージアムのアーカイブから選び抜かれた、希少なアイテムを展示。
芸術作品のほか、ウォーホルの個人的な手紙や、文化的造詣の高い現代のクリエーター数人から贈呈された芸術的な品物なども含まれているという。この展示ではそれらの作品と一緒に、ウォーホル全作品を通して繰り返しテーマにされるぼかし、商業性、名声について展開。これによって、アメリカのアイコンであるウォーホルだけでなく、ファッション、音楽、メディア、アート、セレブの世界にインスピーションを求めた、多様性を持ち、繊細で野心的な一人のアーティストを検証することになった。
「アンディ・ウォーホルへの手紙」では、イヴ・サンローランやミック・ジャガーのほか、近代美術館、ニューヨーク州の公共事業部門、そして彼とトルーマン・カポーティの共通の友人との間で交わされた5つの手紙に注目し、ウォーホルのプライベートな体験や関係に迫る。それぞれの手紙は、著名人達の活動にも芸術性の面で多大な影響をもたらしているという。
そうした著名人の中には、エイミー・マリンズ、 ブライアン・アトウッド、キアラ・クレメンテ、 デレク・ブラスバーグ、デビット・ラシャペル、フランチェスコ・クレメンテ、J.J. マーティン、ニック・ローズ、 ショーン・レノン、シエナ・ミラー、そして ザック・ポーゼンなどが含まれているそうだ。
また、この展示会では5つの芸術作品も披露。これらの作品は異なる素材とテクニックが使われ、キャリアの上でも異なる時期に手がけられているが、どれもキャデラックをテーマにしている。
キャデラックのブランドマーケーティングを指揮するブランド・リーは「アンディ・ウォーホルは大衆文化を高級芸術として極めたことから、最も影響力のある、20世紀のアメリカ人アーティストのひとりとして認識されるようになった。『アンディ・ウォーホルへの手紙』では、彼のユニークな個性と、彼の重要な仕事に文化的なインスピレーションを与えたキャデラックを賞賛しています」と話している。
ウォーホル・ミュージアムのディレクター代理であるパトリック・ムーアは、「アンディ・ウォーホルは、アメリカンライフを描きました。キャデラックがアメリカを象徴するブランドとしてウォーホルの作品にも使われた点は、私たちも非常に共感できます。私達はこの展示会の開催に携わることを大変うれしく思っております。この展示会では、現代に最も影響力のある流行の仕掛け人達の目を通して、現代文化にウォーホルが今なお影響をもたらし続けていることを検証しているのです」と話している。
「アンディ・ウォーホルへの手紙」で展示されるキャデラック関連の芸術作品としては以下のものがある:
◾コスチュームに身を包んだ4人の男性達( 1950年代)および車両(1950年代) :どちらも「Harper’s Bazaar(ハーパーズ バザー)」の依頼を受けて手掛けた作品。彼はアメリカ車に関する出来事について、ビジュアルでのコメントを求められた。作品の中に描かれているのは、1958年型のキャデラック クーペ ドゥビル。
◾キャデラック(1962年):黒鉛筆でスケッチブックに描いた作品。
◾7台のキャデラック(1962年):キャデラック フリートウッドの1963年型を想像し描いた特別な4ドアハードトップ。黒のシルクスクリーンインクを用いて布に描いた作品。
◾標識(Keep Out〈立ち入り禁止〉)1976-1986年(1986年):ゼラチン・シルバーによる4枚の写真で構成。マシンステッチに糸でグリッド状に並べ、1983年型のキャデラック クーペ ドゥビル デレガンスをモチーフに描かれている。
展示会開催開始から数週間、キャデラックハウスでは、キャデラック パークアヴェニュー ドゥビルを披露。これは展示作品である7台のキャデラック(1962年)のモデルとなった車両。この車は限定生産モデルとして、1962年から1963年にかけて、キャデラックのニューヨークの高層住宅に住み、地下にガレージを持っているオーナー向けにて特別に設計され、パーキングが容易なショートデッキが特徴。このほかにも、セダンモデルである1958年式のブラックのキャデラック ドゥビルや1959年式のレッドのエルドラド ビアリッツといった歴史的なモデルも展示される。
この展示会は、11月15日から12月26日まで、時間は平日が午前8時から午後7時、週末は午前10から午後7時まで、「キャデラックハウス」で開催される。入場料は無料。
「アンディ・ウォーホルへの手紙」は、1月中旬にロサンゼルスの101/EXHIBIT ギャラリーへ、その後2月初旬にマイアミのパーム・コートへ巡回。そして2018年初期まで数カ国を巡回するワールドツアーが展開される予定。チャンスがあればぜひ見てみたい展示会だ。