日産と兼松は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が米国カリフォルニア州の北部都市圏で実施し、日産と兼松が受託者として参画する「電気自動車」の行動範囲拡大実証事業の実証サイトを始動した。
これは、昨年9月のNEDOとGO-Biz米国カリフォルニア州の経済促進知事室との間で合意された基本協定に従って、日産が実証研究代表者として全体を取りまとめ、兼松とともに実証事業を実施するもの。実証期間は2020年9月までとし、州北部の20ヵ所以上に最大50基の急速充電器を整備する予定だという。
米国カリフォルニア州は、州内で一定台数以上自動車を販売する自動車メーカーに対し、一定比率のEVやプラグインハイブリッド車等の販売を義務付けるZEV(Zero Emission Vehicle)規制や、EVに対して優先レーンの通行許可を与える優遇措置など、ZEVの普及に対する積極的な取り組みを行っており、現在全米において自家用EVの販売台数が最も多い州として、主に通勤や買い物などの都市圏の移動に活用されている。
この実証事業は、急速充電網の整備、及びEVドライバーへのリアルタイム情報サービスの提供を通じ、EVの行動範囲を都市間移動に拡大することを目的に実施するもので、カリフォルニア州で本実証事業を行うことで、EVのさまざまな行動パターンデータを集積し、調査・分析・研究を通じて、EVの普及と利用拡大モデルの確立を図るものだという。
この実証事業では、カリフォルニア州政府、及び米国充電インフラ事業者eVgoと協力し、同州北部のサンフランシスコ広域都市圏、州都サクラメントを始め、モントレーやレイクタホなどの近隣観光地をつなぐ幹線道路沿いの20ヵ所以上に最大50基の急速充電器を効果的に新たに設置。
また、EVユーザーを最適な急速充電器へ誘導する情報サービスシステム等を構築し、EVの行動範囲拡大への有効性を実証するそうだ(2017年春頃に稼働予定)。
ちなみに日産は、
- 急速充電器の設置及び運用
- EVの行動変化分析
兼松は、
- EVユーザー向け誘導情報サービス等の提供
- EVやEV充電に関わるリアルタイムデータビジネスやビッグデータビジネスの検討
を担う。