全長とホイールベース延長で後席やラゲッジスペースが広がった新型 #マツダ #CX5 を #ジャパンモビリティショー で国内初公開

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世界100以上の国と地域で累計450万台が販売されてきたCX-5が、いよいよ8年ぶりに世代交代を果たす。その3代目が発売に先がけてモビショーで国内初公開された。
この3代目は「原点回帰をめざしてCセグメントSUVの王道を極める方針で開発した」と主査は説明する。従来から掲げてきたエモーショナルな部分を継承しつつ、使い勝手と快適性を高めるデイリーコンフォートにも注力したという。

それが端的に現れているのがパッケージングだ。「購入を見送った棄却理由として『室内が狭い』を挙げた消費者が競合車と比べて圧倒的に多かった」「初代で積めていた自転車が(全高ダウンで)積めなくなったとの声が社内からも挙がった」ことを踏まえ、今回のモデルチェンジではホイールベースが115mmも延長され、後席ニースペースは64mm増えていて広々感を実感できる。併せてCピラーの角度が見直されてリアドア開口幅が70mm拡大され、ドアの最大開度が80度に設定されたおかげで乗降性も改善された。

インテリアで注目したいのは配色だ。なかでもロードスターゆずりのスポーツタンは淡いベージュ系の色調が魅力的で、インパネだけでなくシートもブラックとのツートン構成に仕上がっている。背面を黒くすることでシートを薄くモダンに見せるだけでなく、後席に子供を座らせた時にシートバックを蹴ってしまっても汚れが目立ちにくいといった利点を有する。

ラゲッジスペースの使い勝手が高まったのもポイントだ。フル乗車時の奥行きは45mm増えてベビーカーが縦積み可能になり、リアシートを前倒しすれば身長180の人間が横になって大型ガラスサンルーフから星空を眺めるといったロマンチックな(?)楽しみ方も可能になる。ちなみに荷室高は30mm拡大され、ハッチゲート開口部は18mm下がった。

外観のデザイン・コンセプトは『ウエアラブル・ギア』。KODOデザインは第3世代に入っていて「アイコニックSPや中国専売車のEXー60にも見られるシンプルでクリスプな(=張りのある)面構成を取り入れた」「スポーティなスタイリングと機能性の両立をめざした。ベルトラインは傾斜を弱めて水平に近づけ、CX-5特有の形状が確立されているサイドウインドウはあえて大きく変えることなく踏襲した」とチーフデザイナーは解説する。
マガジンXでテストカーをスクープした際に見破った前後ホイールアーチの凸部分は「ボディとガーニッシュの噛み合いを表現してSUVらしさを演出するため」で、新旧を見分けるポイントにもなりそう。

視界の良さにこだわって設計された水平基調のインパネを見渡すと、クロームパーツが激減したことに気づく。「『古臭い』『オジサンくさい』といった声を受け、採用箇所をステアリングホイール/シフトレバー/ドアハンドル/空調ダクトのノブに絞り込んだ」とのことだが、シンプルと質素・素っ気なさは紙一重で、クロームメッキに代わる何らかの演出に期待する消費者も少なからず出てくるのではなかろうか。ちなみに外観でもメッキの採用はエンブレム類にとどまっている。

そのコックピットからはダイヤルコマンダーが姿を消し、大型ディスプレイ画面(12.9または15.6インチ)が設置されてGoogleのマップ/アシスタント/プレイが組み込まれている。これまでマツダはヘッズアップ・コックピットと称し、前方から視線を大きく外したり姿勢を変えずに各種機能を操作できるダイヤルコマンダーが安全運転につながるとアピールしてきたのに、それを覆すのか⁉︎と疑ってしまうが、そうではない。

情報制御モデル開発部の担当者は「トレンドの変化に合わせ、もっとも安全安心な方法を検討した」「音声操作の技術が向上したので、走行中の機能操作は音声とステアリングスイッチに置き換えた」と具体的に説明。つまり、これからはナビや空調は音声で操作する時代なのだと。よって、空調関連も緊急性を要するフロントデフロスターとリアデフォッガーが物理スイッチとして残されたものの、それ以外はタッチパネルに組み込まれた。

ステアリングスイッチの使い勝手にもこだわりが見られる。例えばオーディオの音量は一気に変えられるようフリック機能が追加されて長押しや連打から解放。アダプティブ・クルーズコントロールは主電源スイッチが省かれて絶えずスタンバイ状態とし、ワンタッチで使用できる方式に見直された。また、これまでコンソールのトグルスイッチで切り替えが必要だったドライブモードも手元で操作可能に。

全面デジタルに一新されるメーターパネル

ヨーロッパでの需要減少に伴ってウリでもあったクリーンディーゼルが廃止されるのは惜しいが、パワートレイン開発本部の担当者は「クリーンディーゼルをユーロ7に対応させるには(尿素SCRシステムでの)後処理も必要になる。豊かなトルクは電動化で提供していく」として27年以降に追加予定のスカイアクティブZと新しいハイブリッド機構への期待感をあおる。ひとまず2.5LスカイアクティブGのマイルドHEVで登場する新型CX-5は現行2Lモデルを上回る燃費で登場するというから、ダイナミクス領域に関しては改めて紹介するチャンスを待ちたい。

マガジンX
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