マツダは入札を経て法務省に特別機動警備隊の指揮官車を納めた。ベースに起用されたのはCX-8のクリーンディーゼル車で、架装はグループ会社のマツダE&Tが担当した。
ベース車の機能や安全性を妨げず、一体感のある架装が行えるのはグループ会社ならでは。例えば警光灯の追加に伴ってルーフ裏は補強されているが、この作業にはベース車のルーフ設計に携わったエンジニアが参画した。また、フロントグリル内に設置された点滅灯は安全装備のセンサーと干渉しないよう考慮されている。
外観は法務省からの要望案を元に凛々しさと緩急のあるデザインに仕立てられ、すでに納入されている車両との一貫性も持たせてある。青いボディカラーや白いストライプは塗装で、ロゴと文字はカッティングシートで対応。
ちなみに法務省の特別機動警備隊とは拘置所や少年院などの矯正施設において暴動、逃走や天災などの緊急措置が必要な時に迅速かつ的確に対処するため、19年4月1日に東京拘置所に常設された。これまで指定暴力団幹部の出所に伴う施設警備、19年の東日本台風被害や21年に静岡県熱海市で発生した豪雨災害の復旧支援活動などを行った実績がある。