「第三の場所」――仕事と家庭の間にあるそうした場所は、現代の都市型社会の中で重要な出会いの場所となる。そんな場があれば、私たちがリラックスしたり、人と会ったり、生産性を高めたりできる居住(リビング)の空間が広がることになる。
実際にフリーランスの人たちは、カフェやレストランを仕事場や会議室としてよく利用している。そこでMINIは、ロンドン・デザイン・フェスティバル2016に、「諸空間の間の空間」という概念の元、3通りの解釈を提示するアシフ・カーン氏のインスタレーション作品、MINIリビング「フォレスツ」を出展することとした。
MINIリビング「フォレスツ」は、一般の人々が立ち入って一人ひとり好きなように利用できる空間、都市型社会のニーズにぴったりと合った新たな空間を生み出すものである。このインスタレーションによってMINIブランドは、今年のミラノ・サローネ国際家具見本市に出展したMINIリビング・インスタレーションを皮切りに開始した未来の都市生活に関する対話を継続していくという。
インスタレーション作品MINIリビング「フォレスツ」のコンセプトは、日本の「森林浴」の考え方にインスピレーションを得たものだそうだ。森林浴では、聞こえる音や匂い、足の裏の感覚にいたるまで、あらゆる感覚が活性化して森林の空気を吸収している。また、スケールは大きく異なるが、職場の机や住宅の周囲などでは、個人スペースを公共のスペースから隔てる境界を区切る目的で植物が利用されている。
今回の作品は、この2つの考え方を融合することで、来場者が都市内部で新しい感覚を体験できるようにしたものであり、「テーマ」にもとづく3つの部屋(コネクト、クリエイト、リラックス)をロンドンの活気ある下町、ショーディッチの界隈に配置しているそうだ。
この内「コネクト」スペースは、偶然や待ち合わせの出会いや情報交換の場となっており、大きなテーブルが部屋のセンターピースとなっている。一方、集中して仕事に取り組むのに最適な場となるのは、「クリエイト」スペースである。これは独創性と生産性にあふれる「島」であり、使う人が家具や設備を好きなように配置することが可能である。また、「リラックス」スペースは、植物をふんだんにあしらった空間であり、日常から一歩退いてリラックスできる場所となっている。
このアシフ・カーン氏作インスタレーション、MINIリビング「フォレスツ」は、ロンドン・デザイン・フェスティバルの開催期間中(9月17~25日)一般に公開され、利用可能である。未来の都市におけるクオリティ・オブ・ライフを高めるための創造力あふれるアプローチを提示する作品だそうだ。