ヤリスの「素早い」リコールについて国交省リコール監理室に聞いた。 「トヨタが不具合の初報を入手したのは今年3月。以降、原因分析をして、令和2年4月に生産車対策を実施。昨日リコールに至った」 また、輸出と海外生産分については不具合ゼロとのことだ。
昨年末に作り溜めを始めた頃から、直近の4月までの車両での不具合というのは一体何があったのか。台数も量販モデルだけに国内だけで2.7万台に達している。
アイドリングの振動によるVSCの誤作動など、評価部隊なら開発期間中に容易に気がつくトラブルではないだろうか。確認マニュアルにも載っている検証部位だと思う。
うがった見方をするわけではないが、トヨタは発売前に知っていたのではないかとさえ疑ってしまうケースだ。まさか見切り発車で「1カ月無料点検か半年無料点検でプログラム改修すればよい」と考えたとは思いたくないが。コロナ禍で、生産、販売、開発の各部署はテレワークなど働き方にも制約があったはずだ。
また、今般はプログラム改修での対応だが、スパードセンサー側に問題はないのか、経年によりブッシュなどの劣化で別の不具合がでる恐れはないのかも気になるところだろう。
言わずもがなだが、リコールを出すには本来かなりの時間がかかるもの。症状の確認、原因の究明、改善策(ソフト)の作成、対象フレームナンバーの確定、各ディーラーへの手順書などの連絡と資料配布、ユーザーへの個別連絡、など。当然だが、国土交通省への届け出、リコールシールの製作など山ほどの手間が必要だ。
同様にカローラ、ヤリスなどのコンビランプ不点灯も解せない。こんな事象など開発段階で簡単に分かりそうなはず。大人5人が乗って検証もするだろうに。現在、トヨタ自動車広報部に問い合せを入れてます。
取材・文/神領 貢(マガジンX編集長)
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