グローバルサプライヤーのクーパースタンダードが
日産自動車横に新本社開設。営業強化でアジア市場開拓へ
アメリカミシガン州に本社を置くグローバルサプライヤーのクーパー・スタンダード・オートモーティブ(ジェフリー・エドワーズCEO、以下クーパー社)の日本法人であるクーパー・スタンダード・オートモーティブ・ジャパン(山崎岩男社長)の新本社のお披露目が9月4日に行われた。
オープニングにはクーパー社のエドワーズCEOも駆けつけた。「横浜は宇都宮にも名古屋も便利な立地。また、技術系の大学も近隣に5つあり、優秀な人材をとりやすい。雇用を創出できることを誇りに思う」と日本法人の新本社を横浜に決めた理由を説明した。
場所は日産自動車本社並びにある横浜三井ビル。クーパー社は2004年にタイヤメーカーのクーパータイヤの自動車部門が分離独立して発足した。2017年の売上高は3960億円(1ドル=110円換算)を誇る。窓枠のシーリングシステムや燃料ブレーキ配管システム、フルードシステム、防振ゴムなどで高い世界シェアを持つ。現在、北米、欧州、中国、インド、韓国に生産拠点を構えており、日本法人の体制強化によって、国産車メーカーに対して、現地生産車への自社製品採用を働きかけていく考え。
「イノベーション技術で日本のローカルサプライヤーとして自動車メーカーに対してきめ細かな対応を行っていく」(山崎社長)ために、新本社には同社製品のパネル紹介&実物展示や、初期の性能測定などを行うベンチマークルームを設置、エンジニアリングセンター機として活用していく。商談スペースの拡充などを合わせ、日産、ホンダ、トヨタ、マツダ、スズキなどの主力メーカーに対してアプローチを強化する考えだ。シ−ル材として従来品よりも遮音性、軽量性、耐久性などに優れた成型材料である「Fortrex=フォートレックス」などの差別化製品を軸に市場成長にともない拡大余地の大きいアジア市場でのシェアアップを狙う。当初の人員は14名でスタート。今後、取引先との関係強化を狙い、エンジニアを中心に従業員も順次増やす計画となっている。
取材・文・写真/神領 貢(本誌編集長)