マガジンX 2023年12月号で独占スクープしたアリアNISMOの詳細をつかむことに成功した。
すでにノートやフェアレディZに設定されているように、NISMOはルックスと走りが磨かれた日産純正のチューンナップ・モデルで、アリアでも同様に随所が手が加えられる。早速、分野ごとにNISMOの独自ポイントを紹介していきたい。
エクステリアでは前後バンパー、オーバーフェンダー、ドア下方フィニッシャーなどに専用品が与えられ、以前にスクープしたようにハッチゲート中央にはダウンフォースを向上させるスポイラーが備わる。張り出しの大きいフロントバンパーにはホイールハウスからの空気の流れを促すエアカーテンとカナード状の造形を採用。また、ドア下方フィニッシャーは下に拡大されてダウンフォース拡大に貢献する。バンパーも含め、ボディ下方に赤いピンストライプが配されてNISMO共通の精悍なイメージが演出されるのもポイントだ。
エンケイ製20インチ8.5Jアルミホイールは標準車より5%軽く、モーターの鉄芯をイメージした5本ツインスポークとフラットなリム部分で構成されていてホイールハウスからの空気の排出量を引き上げる。組み合わされるタイヤは専用開発のミシュラン・パイロットスポーツEVだ。
ボディカラーは:
プリズムホワイトP
ダークメタルグレーM
ミッドナイトブラックP
プリズムホワイトP/ミッドナイトブラックP
ディープオーシャンブルーP/ミッドナイトブラックP
NISMO専用色のステルスグレー/ミッドナイトブラックP
:の6色から選べる。
インテリアではステアリングホイールとシートに専用品が用いられ、足元の行燈照明はレッドに変更。また、ブラック天井トリム、金属調レッド内装パーツによってキャビン全体がスポーティに彩られる。ステアリングホイールは2本スポークのまま12時の位置に赤いセンターマークが設けられ、赤ステッチとともにドライバーの気持ちを昂らせる。インパネ中段には金属調レッドのフィニッシャー、黒いオープンポアウッド、赤いスタートボタンが並ぶ。
シートはサイドサポートの形状とクッションパッドが変更されてホールド性が向上。赤いパーフォレーション(穴あき)処理が施されたスウェード調表皮によって滑りにくさが確保される点も嬉しい。
走行特性を変えられるデバイスには専用のNISMOモードが設定される。このモードを選ぶと加速時にはフォーミュラEを思わせる高音が、減速時には回生サウンドを強調した低音が作り出される。
前述した専用タイヤ&ホイールだけでなく、サスペンション(スプリング、ダンパー、前輪スタビライザー)やブレーキ、VDC、トラクションコントロール、ABSにも専用チューンが施されて高いトレース性と安心感を実現。
スプリングのバネ定数は前輪で3%、後輪で10%アップ(後輪はB9のみ)。ダンパーは前輪で伸び側8%&縮み側2%、後輪で伸び側67%&縮み側1%アップ。前輪スタビライザーは15%強化。
さらに、モーターの性能アップによって0→120km/h発進加速タイムは標準車より1秒短縮されるという。この専用チューンはNISMOチューンドeー4ORCEと命名される。
こうした特徴を有するNISMOはB6とB9の両方に設定され、駆動方式はeー4ORCEに限られる。標準車の受注およびデリバリーが滞っている中、NISMOが発表されるということは、アリアの販売が正常化に向かうサインだろうか。