8月3日にティーザーキャンペーンが立ち上がったレイバックの予約受付が始まった。
同車はスバルが国内向けに開発したSUVで、レヴォーグがベースに起用されて外板パネルや内装パーツの大半は共有されている。
そもそもレイバック開発の意図はどこにあるのか。開発を取りまとめた同社・商品企画本部の小林正明さんは「土の香りがしないSUVをめざした」と語る。クロストレックやフォレスターで同社のSUVはアウトドア派のイメージ作りに成功しているという。一方で競合他社にはシティ派として人気を集めているSUVも存在する。これらの購買層は内外装デザイン、品質と仕上げの良さを重視するため、レイバックもそこに重点を置いて開発された。
内外装デザインはレヴォーグ特有の「凛」としたスポーティさと硬質さを受け継ぎながら、「包」という一文字に基づいて大らかさと温かみが与えられている。典型的な例としてシートの一部にはアッシュと呼ばれる明るいグレー系の表皮が用いられ、インパネも含めてカッパー色のステッチが施されている。良好な乗降性を確保するために前席クッションのサイドサポートは専用設計されているが、ワインディング路でホールド性に物足りなさを感じることはなかった。
エクステリアではSUVテイストの演出としてホイールアーチとサイドシルに樹脂モールが装着され、フロントグリルと前後バンパーも専用デザインに変わっている。リアバンパーはほぼ黒ガーニッシュで覆われているレヴォーグと違い、ボディ色の面積が広くて張りの面で存在感の演出にひと役買っている。
走らせると、スバルが目標にした「包」な味わいを堪能することができる。レヴォーグより55mm高い200mmの最低地上高に合わせてサスペンション(スプリングとダンパー)には専用品を採用。リバウンド・スプリングのおかげでロールが抑えられ、柔らかすぎず、懐の深い乗り心地が実現されていてロングクルージングでも疲れを感じにくいだろう。かたや試乗したワインディング路では粘りのあるハンドリングを見せ、地上高の高さや専用オールシーズンタイヤによるデメリットは感じられなかった。
1.8L直噴ターボ(177ps/30.6kg-m)のおかげでパワー不足に悩むこともなく、ステアリングスイッチのSIドライブをスポーツモードに切り替えれば多少パワー感も増す。
もうひとつ特筆したいのは静粛性の高さで、これまたロングクルージングの際に高い快適性をもたらす要素として見逃せない。harman/kardonの10スピーカー・オーディオが標準装備されており、その魅力を引き立てるリスニング環境が整っていると言えよう。
床下サブトランクを含むラゲッジスペースはレヴォーグと変わりなく、地面からのローディングハイトは690mm(レヴォーグ比プラス70mm)に設計されている。手など身体の一部をかざすだけで開けられる電動ハッチゲートも装備。
このほか、高精度地図と準天頂衛星からのデータを活用して高速道路でのハンズフリー走行、レーンチェンジ、料金所前での減速をサポートしてくれるEyeSightーXも標準化されており、新たに第3の超広角カメラが追加されて横からの飛び出しなど周りの移動物をいち早く検知できる性能を身につけている。
今度の週末(9月9&10日)には東京駅・八重洲中央北口改札前、KITTE名古屋1Fアトリウム、グランフロント大阪うめきた広場の3カ所で先行展示イベントが開催される予定だ。いち早く実車が見られるチャンスをお見逃しなく!