2030年に商品ラインナップを100%BEV(電気自動車)化する方針を掲げているボルボが、環境対応の一環としてBEV専用車のC40リチャージ(以下C40)を発売した。
当初719万円で売り出されたが、半導体不足によってピクセルLEDヘッドランプとコーナリングライトが装着できなくなったため、2022年第11週生産分より699万円に改定された。
C40にはXC40と同じCMA(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー)プラットフォームが使われている。このアーキテクチャーは電動化を視野に入れて開発されたため、BEVでもパッケージングが損なわれずにエンジン車と同等の居住性&ラゲッジスペースを確保。クーペ風のシルエットを作り出すためにルーフは後ろ下がりに設計されていて後席ヘッドクリアランスは最小限にとどまっているが、開放感をもたらすパノラマルーフのおかげで窮屈な印象はない。
内装にはおなじみのモダンな印象が漂っていて居心地は良好だ。本革を使わないレザーフリーの思想が反映されており、ステアリングホイールやシートは人工素材で製作されている。また、大半のボディカラーではドアトリムとフロアカーペットが北海を連想させるターコイズブルーに彩られる内装も選択でき、個性と目新しさを発揮。さらに、本革の代わりにウール素材のシートがオプション設定されているのもユニークだ(オレフィス製クリスタルシフトレバーとセットで13万円)。
前後輪それぞれに204psの電気モーターが設置されていてシステム出力は408psをマークしている。一充電あたりの航続距離は485km(WLTCモード測定値)で、78kWhのバッテリーは床下とセンタートンネル内に搭載されていて前後重量配分50:50を実現。そのバッテリーを衝撃から守る構造のおかげで、ドアの閉まり音は他のボルボ車と比べて重厚感に富んでいる。
加速時にはBEVならでは力強さを体感できる。また、アクセルOFFで最大0.25の減速Gがもたらされるワンペダル機構も備わっているが、強弱を選べない単モードのため、マイルドな減速Gを得るにはペダルから完全に足を離さないよう慣れが必要だ。停車後もホールド状態が保たれるのは便利だが、逆にクリープ現象がないので駐車時など微動しにくい点は否めない。
3月18日に発表された2023年モデルではharman/kardonオーディオなど一部装備が省かれた前輪駆動のシングルモーター仕様が加わった。こちらはバッテリー容量69kWhで、税込み価格を599万円に設定。写真の22年モデルと違い、23年モデルでは全車ルーフサイドとリアスポイラーがボディ色に変わる予定だ。
主要スペック(2022年 初期モデル)
●全長×全幅×全高:4440mm×1875mm×1595mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:2160kg
●最小回転半径:5.7m
●パワートレイン:電気モーター×2(408ps/67.3kg-m)
●WLTCモード一充電走行距離:485km
●駆動方式:4WD
●税込み価格:719.0万円(オプションを含まず)