レーシングドライバーでもある井原慶子さんが代表取締役CEOを務めるFuture株式会社がパーソナル・モビリティ「GOGO!」を発表した。税抜き価格は23万8000〜42万8000円。
自社開発の「GOGO!」は前2輪・後1輪の原動機付自転車(いわゆるミニカー)に分類され、普通免許で運転できる。重量は23kg(カーボンフレームのモデルは18.5kg)で、600Wのモーターで走る。約3時間で充電できる取り外し式バッテリーは床下に搭載されていて一充電あたりの走行距離は30km(カタログ値)。一回の充電に要する電気代は10円程度。前輪にはリーン機能で内側に倒れるサスペンションが採用されている。
開発の経緯について井原さんは「2020年の緊急事態宣言中に地元の商店が困っている様子を目の当たりにし、デリバリーに使えるモビリティで活性化の役に立てないか考えたのがキッカケ」という。最高速は法規で定められている60km/hより低い30km/h(カーボンフレームのモデルは45km/h)に設定されているが、これは「ママチャリで全速力で走った時くらいの速度が出れば」との理由に基づいている。
試乗したところ、電気モーターのおかげで素早く発進でき、風を感じることもできた。ただ、クルマの多い道路では交通の流れの妨げにならないよう配慮が必要で、ラスト1マイルのような使い方に適していると言えそうだ。
Futureは単にモビリティを開発&生産することが狙いではなく、地域活性化という大きなテーマを背景に掲げている。愛知県春日井市で行われている実証実験では、自社開発のアプリで地元商店にデリバリーの注文を出せるほか、4月からはGOGO!をシェアする実験も始まる予定だ。将来的には地域通貨に対応することも計画に含まれている。
GOGO!は三重県の自社工場で月に50〜100台のペースで生産される。すでに100台ほどの予約が入っており、4月からは公式サイトに加えて代理店での販売も始まる。