フィアット500ファミリーの中でクロスオーバーSUVに仕立てられて頂点に据えられている500Xに大規模なマイナーチェンジが施された。2タイプから選べる各グレードの税込み価格は298.0万円と334.0万円。
今回の手直しでは前後ランプ類に500のロゴと同じく上下に分割された円が用いられ、併せてバンパーも変更。内装ではステアリングホイールとメーターパネルがリニューアルされた。
さらに見逃せないのは搭載エンジンの変更で、排気量が100cc小さい1.3Lターボに換装されたにもかかわらず、スペックは11ps/20Nm増の151ps/270Nmに向上している。このエンジンは先に発表済みのレネゲード改良版に用いられているものと同じだ。トランスミッションは6速DCT。
輸入元であるFCAジャパン株式会社でプロダクト・マーケティングを担当している生野逸臣さんによると、騒音と振動が抑えられていてアイドリング・ストップからの再始動時の振動も低減されているという。
なお、今回の改良では上級グレードも4WDからFFに変更されたが、これは「4WD車の燃費の悪さを指摘する声もあった。消費者は4WD性能よりもSUVらしいルックスを重視しているため(=SUVらしければ2WDでも構わない)」と生野さんは説明する。
受注生産のエントリーモデルは約5万円アップの298.0万円に設定されているが、前述の内容を反映しながら300万円以下に抑えるため、一部装備が省かれるなど苦心の跡が見られる。
ジープやアバルトを含むFCAジャパンの2018年の販売台数は2万2898台だった。このうち、レネゲードは約2000台、500Xは約1000台。現在は新型ラングラーの受注残(納車待ち)が1600台ほど積み上がっており、これのデリバリーが進むことで「最高の第2四半期を迎えられるだろう」と広報部長に就任したばかりの清水良子さんは見通しの明るさを語っていた。