「もったいない」意識徹底するトヨタの原価低減活動
トヨタの第1四半期決算は、売上高7兆3627億円、前年同期比4.5%増、営業利益6826億円、同18.9%増だった。
連結世界販売台数は同 2.1万台増の223.6万台。
なお、今年度見通しの売上高29兆円、前年同期比1.3%減、営業利益2兆3000億円、同4.2%減は変えていない。
質疑応答。
Q 決算の受け止めについて。
A 増収増益は皆さまのおかげ。改めてお礼を申し上げたい。年度目標に向けてオンピッチで進んでいる。稼ぐ力原価改善については道半ば。第2四半期以降、研究開発費も増える。仕事のやり方も含めて抜本的に変えていきたい。
Q米中貿易戦争について。
A 鉄鋼とアルミについて増税されている。100億円程度のコスト増を見込んでいる。クルマの関税は台数、収益見通しは織り込んでいない。発動されれば影響は大きい。
たくさんの北米事業で6330万台売れた。お客様に満足いただけるクルマを作るため10カ所の工場がある。2017年以降、百億ドルの投資を行う。北米の発展と雇用に寄与していく。
Q 中国の関税引き下げについて。
A 価格を引き下げた。中国は重要地域。様ざまな取り組みを実施したい。より良い社会、より良い街づくりに貢献したい。
Q 関税が発動された場合、生産調整をおこなうのか。
A 現時点できまっていることはない。国内300万台については引き続きしっかりとこだわっていきたい。
Q 北米市場でのインセンティブについて。
A 第1四半期は金利上昇などで絶対額は増えた。戦略的に行なっている。足元はかなり抑えられている。年度を通して前年並みを考えている。
今後ともSUVが増えていくと見ている。生産台数を増やしている。今後、SUVの新製品も投入する。
Q 原価改善の進捗状況について。
A 資材高騰分で500億円程度ある。見かけの150億円に対して実質650億円の低減となっている。「もったいない」意識の徹底。ペーパーレス化を進めている。7割程度の削減となっている。
「自分でやってみよう」ということで、若手社員中心に外注していたものを自分たちでやるようにした。
Q グループ内の重複事業の見直しについて。
A 百年に一度の大変革の時代。トヨタが中だけで競争力を上げていくのは難しい。中、外、異業種との連携が必要になる。生きがいを持って仕事することが大切。
Q 7月はSUVが北米で売れた。
A 今年も来年もSUVの比率が上がると考えている。
価格については、環境規制、安全規制が強化される。新技術へのニーズも高まっている。全方位ではなく、お客様が求めるクルマを提供することで原価を下げていきたい。原価低減は終わりのない活動。
Q 配車サービスについて。
A グラブへの出資は東南アジアでの取り組みを一緒になってやっていく。
Q アメリカでの生産拡大余地は?
A 能力的にはない。価格については申し上げにくい。
Q 北米マーケットの通期販売台数を下げた。
A 商品入れ替えや金利上昇などで少し慎重に見ている。世界各国の規制に対応すべく、全方位で電動車対応していく姿勢は変わらない。
Q 日本からアメリカに70万台輸出している。
A 関税が全部かかってしまった場合は、トヨタで賄えない。価格に転嫁すると販売に影響せざるを得ない。しっかり状況を見ながら考える。スピードと競争力を上げていくことが望まれると考えている。