ユーザー目線ってなんだろう

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3FF2BFCC-FD4E-45DC-946A-7A27ACAC5433先日、国交省で島雅之自動車局次長に単独インタビューしてきました。島さんへの単独インタビューは、現職に就任以来3度目です。日産、スバルの完成検査不正をキッカケに設置されたタスクフォースでは、不正の再発防止に加えて型式指定のあり方についても議論されます。3月末までには一定の方向性が示される予定です。
島さんは昨年の三菱、スズキによる燃費抵抗値不正に伴って設置されたタスクフォースでも主要メンバーのひとりでした。その島さんが強調されていたのが、やはりコンプライアンスです。法令遵守の徹底がなされなかった理由はどこにあるのか。
コスト削減が行き過ぎると、そのシワ寄せが従業員に向かいます。さらには消費者に迷惑がかかり、結果としてブランドの信用が低下する。今回の不祥事はまさにその典型と言えるのではないでしょうか。

ユーザー目線ってなんだろう

一昨日の島さんとのインタビューでも、「ユーザー目線」の話が出ました。素材産業にとっての「ユーザー」は、サプライヤーだったり、組み立てメーカーだったりします。神鋼の会見でも「ユーザー」はサプライヤー、組み立てメーカーのことでした。
で、データ不正をやっていても「特採」であっても、品質に問題ないと「ユーザー」ともども主張します。

そりゃそうです。もし、自動車に使われているアルミ板が問題ありとなったら、大変な手間と時間とお金がかかるのですから。

もちろん実際に品質に問題ないのでしょうが、最終消費者からすれば、やはり違和感はあります。ユーザーと素材メーカーが言う「問題なし」の根拠が明確に示されていないからですね。

「品質に妥協すべきではない」。
技術畑である島さんの言葉には、日本のモノづくりを陰で支えてきた国交省の官僚の矜持を感じました。

ユーザー目線とは、最終消費者、つまりエンドユーザーに向けてこそ意識されるべきとの認識で一致しました。

申し訳ないが、いまのスズキを信用していません。インドの好調はその通りですし、いいクルマをリーズナブルに作る点では、他社より一歩抜きん出ていたと思います。
が、最近のスズキは、不具合が発覚しても、やはり対応が鈍い。経営者は「クルマは10年持てばいい」とは思っていないでしょうが、長年、積み上げてきたブランドの価値は、ミスると一瞬で崩れ去ります。リコール対応をしっかりやる、長持ちする部品を作る、ユーザーの指摘に真摯に耳を傾ける。こうしたことを疎かにしないことです。
いま、水面下で取材を続けています。
https://r.nikkei.com/article/DGKKZO19904990Q7A810C1DTC000

 

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