JAF会長、「踏み倒される恐れがある!」
本日午後、自動車損害賠償保障制度のあり方を考える 会のメンバーを中心とした参加者による「自動車損害賠償保障制度を考える会」が開かれ、「自動車安全特別会計からの一般会計繰入金に係る要望」を出すことが決まった。予算策定に関係する部署や国会議員に向けて出すことにしている。
本誌が長年、指摘し続けている自賠責保険積立金6100億円あまりについて、一般会計からの繰り戻しを実現するために決起されたものだ。
保障制度参事官室の小林参事官は、冒頭、「財政事情厳しい中、新しいニーズのために拡充していく姿勢で臨んでいる」と説明した。
各出席者からの発言、質疑応答の要旨は以下のとおり。
堀野さん
当初の目標について、厚労省の横ヤリが入った。地域格差の解消に向けた取り組みがスローダウンしていたのではないか?
小林参事官
過去の経緯入った承知していない。実際、使われなければ意味がない、もったいない。人数分布は把握している。大都市圏を中心にかなりの利用率があることは承知している。県をまたいで療護施設に行くのは家族にとって負担。小規模でも近くに欲しいがニーズ。合理的な配置、しっかり使ってもらえるようにするのが、私たちの方針。
細見さん
病床は3年間。一度埋まるとなかなか空かない。もっと増やして欲しい。
リハビリも兼ねた再生医療を考えて欲しい。戻ってくるお金でやって欲しい。
相原さん
何のための調査か。再生医療についての医療情報を共有すべき。繰り戻しについての強力な武器になる。
小林さん
制度的にどのように省庁間で役割分担が課題になる。
矢代さん
繰り戻しの要求の中身を聞かせて欲しい。
運用益事業は被害者救済どのよう交通事故防止。保険料の引き下げにも繋がる。アセスメントは大きな役割を担っている。目配りをいただきたい。
小林さん
事項要求。ベースはこれから始まる。アセスメントは評価をいただいている。新しいものを取り入れて行くのだろう。ご意見をしっかり伝えたい。
福田座長
救済事業や自動車事故抑止は、世界に誇れる制度。なぜユーザーが保険料を支払うのか。いつでも加害者と被害者が入れ替わる可能性がある。大きな枠組みの中で、被害者救済事業は大きな事業。繰り戻しは重要な制度。
桑山さん
7年前に続き一生懸命頑張りたい。
小林さん
要望案に自動車業界として全面的に賛同したい。繰り戻しに努力したい。
相原さん
賛同いただける人数が増えている。何が何でも繰り戻しを実現する。
古謝さん
6000億円を使って皆様に訴えていきたい。
細見さん
高次機能障害は若い方が多い。生きてて良かったと思いたいようにしたい。ご支援よろしくお願い申し上げます。
堀野さん
ふたりの大臣に期限を書いた念書を出して欲しい。実行を疑っている。ひょっとしたら先送りされる。エビデンスを出せよ!と言いたい。こうした会は最後にしたい。
宮井さん
損保労連としても組織として賛同した。初めて参加する。繰り戻し実現に向けてやっていきたい。
鈴木さん
息子が飲酒運転で亡くなった。加害者は無保険だった。応援させていただきたい。
北原さん
17年間、被害者救済活動を行なっている。自賠責保険は保険料を使った交通事故犯罪の被害者救済の制度。税金を使った他の福祉とレベル合わせされてゴチャゴチャするのはおかしい。
財務省は予算を配分するような立場で上から目線で話す。使い道話す私たちが決める。「返せ!」と言わなければならない。
矢代さん
ユーザーの視線で考えている。趣旨に賛同して参加している。
JAFの矢代会長は会見で、「空手形になる可能性がある、踏み倒される恐れがある」と危機感を強く表明した。また、自動車総連の相原会長も、「不条理を正さなければならない」と決意を示した。