「風力発電でFCフォークリフトを動かす」事業化へ一歩前進

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「風力発電でFCフォークリフトを動かす」事業化へ一歩前進

昨年春から試験運用が始まっていた風力発電で得られた電気を使って電気分解した水素をエネルギーとして燃料電池フォークリフト(FCフォークリフト)を工場現場で活用する実証実験がいよいよ実証事業段階に入った。現状では水素の価格は1立方メートル当たり1100円程度、FCフォークリフトも1台1000万円超と高い。規制の緩和やFCフォークリフトの量産によりコストを引き下げ、事業として採算化できるかどうかを平成30年度末まで検証する。この事業は環境省の委託事業となっている。

横浜市内に設置されている「ハマウィング」と呼ばれる風力発電機から得られた電気エネルギーを変電し、蓄電し、さらには電気分解で得られた水素を低圧で保管、デリバリー時に高圧で移動簡易型水素充填車のタンクに詰めて事業所に水素を供給する一連のシステムの構築が検証の柱。電気分解の副産物である酸素の利用も課題のひとつだ。

横浜市臨海部にある事業所で稼働するFCフォークリフトのユーザーの1社であるキリンビール横浜工場の神崎工場長は、「フォークリフト40台のうち4台をFCに置換した。毎日8時間使用している。水素の充填は毎日2時半にくる。価格が同じくらいになれば、環境に良いので使いたい」と可能性を注目していた。実際、現場の人たちに話を聞いても「使い勝手は良い」と話す。挨拶に立った山本環境大臣は、「再生可能エネルギーから水素を作るプロジェクトを推進している。水素充填車による水素デリバリーシステムは水素社会実現の鍵。波及可能なポテンシャルを持っている」と事業化への期待を示した。
トヨタ自動車の友山専務役員も「規制緩和しても問題ないと言えるような実証を積み重ねたい」と意気込みを語っていた。

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